
知らないと損する「日本人の給料が上がらない」4つの"意外な理由" - 1986年と2024年で新卒給与が変わらないワケ
こんにちは。日本の裏側ライターのWingです。今回は「なぜ日本人の給料は上がらないのか」について、最新データと歴史的背景から紐解いていきます。
はじめに:驚愕の事実
私の父は1986年に新卒で月給20万円でした。そして2017年、私の兄も新卒で月給20万円でした。
30年以上の時を経て、新卒給与が"まったく変わっていない"のです。
この間、日本の金融資産(マネーストック)は340兆円から990兆円へと約3倍に増加。にもかかわらず、私たちの給料は据え置きのままです。
いったい、なぜなのでしょうか?
1. 「プラザ合意」という転換点
すべての始まりは1985年。ニューヨークのプラザホテルで行われた「プラザ合意」にありました。
当時、アメリカは深刻な貿易赤字に悩んでいました。そこで日本とドイツに対し、急激な通貨高を要求。
その結果:
1ドル=240円 → 2年で120円に
日本企業の輸出競争力が急激に低下
製品の価格競争力を維持するため、企業はコスト削減を迫られる
2. 人件費カットという "悪循環"
円高で苦しむ企業が最初に目をつけたのが「人件費の削減」でした。
なぜなら:
原材料費は円高で相対的に安くなった
設備投資は必須
残された調整できるコストは「人件費」しかない
こうして始まった人件費抑制は、その後30年以上も続くことになります。
3. 驚愕の内部留保
興味深いことに、この30年間で日本企業の内部留保(企業の貯金)は急増しています。
1990年:約50兆円
2023年:約550兆円
増加額:約500兆円
つまり、企業は儲かっているのです。しかし、その利益は従業員には還元されていません。
4. "真面目さ"が仇になった?
さらに興味深いのは、日本人特有の性質が給与抑制に影響している可能性です。
例えば:
ストライキの減少(1980年代は年中行われていた)
「迷惑をかけたくない」という意識
過度な協調性
対照的に、アメリカの自動車産業労働者は:
時給6000円を実現
積極的な賃上げ交渉
権利主張のためのストライキも実施
日本の工場労働者の時給は約2000円。実に3倍の差があります。
では、どうすればいいのか?
歴史的に見ると、労働者の権利や待遇改善は、声を上げ続けることで実現されてきました。
現代の日本に必要なのは:
適切な権利主張
労働組合の活性化
企業の内部留保の適切な還元
政策レベルでの介入
最後に
実は日本は「世界一の債権国」です。対外純資産は約418兆円(3.5兆ドル)。
つまり、日本という国には十分な富があるのです。問題は、その分配の仕方にあります。
一人一人が声を上げ、適切な待遇改善を求めていく。それが、未来の日本の労働環境を変える第一歩となるのではないでしょうか。
【参考データ】
財務省「対外資産負債残高」
日本銀行「資金循環統計」
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
いかがでしたか?この記事が「給料が上がらない理由」を理解する一助になれば幸いです。