新解釈『月が綺麗ですね』


夏目漱石が"I LOVE YOU"を『月が綺麗ですね』と訳したのは、今や多くの人が知っている有名な話です。婉曲的な愛の告白としても知られるこの言葉は語り継がれ、そして様々な返しを考えた者たちがいました。死んでもいい、星も綺麗ですよ、今ならきっと届く、ずっと月は綺麗でしたよ…
日本人らしい粋な言葉遊びです。実に面白い。
綺麗な満月が照らす今夜のタイムラインには『月が綺麗ですね』が溢れていました。感化された私は、その返しについて新しいものを考えてみたいと思います。眠れない夜には打ってつけでしょう。
せっかくなので、少しの小噺を添えて。


①引力は永遠ですよ
地球と月が今の位置関係なのは万有引力によってお互いが引かれ合っていて、離れることなく地球の周りを月が回っているからと言われています。(諸説あり)
だからこそ地球上にいる私たちは月を観測出来ますし、月が綺麗だと言えるわけです。誓われた愛が永遠であるならば万有引力も然りなのです。


②街の明かりはすべて消えています
月がよく見える条件のひとつには、街の明かりが少ないことだと思います。家の明かり、街灯、信号機…それらがすべて消えているということは私を照らすのは月だけ。
総じて『あなたしか見えてない』の意。私にはあなただけですよ。



③今夜は満月ですからね
一見当たり前のことを言ってるような返しですが、今がちょうど満月=これから徐々に欠けていく。総じて相手の気持ちが移り変わっていくだろうと憂いているということ。浮気性やあまり誠実ではなさそうな相手に『どうせ遊びなんでしょう』と伝える言葉です。


④もう夜明けです
すでにありそうだし、分かりやすくて解説は要らなそうですが。夜が明ければ当然月は見えにくくなります。より強い輝きを持つ太陽が照らすからです。例えた月が貴方ならばその輝きはもう見えなくなります。
総じて『貴方への気持ちはもう冷めてしまいますよ』の意。



まだまだありそうですが、眠くなってきたのでここまでです。ベッドで転がりながら微睡みつつ書いてるので、だんだんぽやぽやしてきました。


『月は綺麗ですね』というたった一言からはたくさんの物語が生まれます。
それはおそらく、愛を交わすことは1人では出来ないから。自分の想いがどんなに強くとも、相手の立場や気持ち次第で展開される物語がまったく違うわけです。返しによって、それぞれ違うシチュエーションが描かれていくのは面白いですね。
まだまだ考えれば出てきそうです。

なお、色恋にはあまり縁のない私ですが、もし使うなら③か④だなと思いました。
回りくどいのはあまり好きじゃないんです。月がどうこうよりも真っ直ぐな"I LOVE YOU"が欲しいのよ。





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