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アンチ・ドーピングについて考える

R7/1/12にアンチ・ドーピングについて学びなおしたのでつぶやきます。


①アンチ・ドーピングとは?

ドーピング行為に反対(antiアンチ)し、スポーツがスポーツとして成り立つための、教育・啓発や検査といった様々な活動のことを指すようです。

・アンチ・ドーピングの国際的動向


ドーピングの検査は主に尿、血液を利用して行われています。オリンピックでも同様の方法で検査が行われています。ドーピングが行われやすい競技としては個人競技の方が比率が高くなようです。個人競技の方がドーピングに対して心理的障壁が低くなるのも原因の一つと思われます。検出された禁止物質は複数ありますが、ボクシングではフロセミドが使われたようです。中国の水泳選手では23選手がトリメタジジンようです。WADAを始め、アンチ・ドーピングのルールを作成している機関があります。ルールを厳守し、かつ必要であれば柔軟な対応が必要であるでしょう。

・WADAとは?

世界ドーピング防止機構(World Anti-Doping Agency)のことです。
1999年に国際オリンピック委員会(IOC)から独立して設立されました。世界各国におけるドーピングの根絶と公正なドーピング防止活動の促進を目的として,国際的なドーピング検査基準の統一やドーピング違反に対する制裁手続の統一等を行うための国際的な機関です。

②2025年禁止表国際基準と治療使用特例(TUE)


世界アンチ・ドーピング・プログラムはLEVEL1〜3に分類されている。
LEVEL2国際基準は2024年1月で8つに分類される。
・禁止表
・検査及びドーピング調査
・治療使用特例
・プライバシー及び個人情報保護
・結果管理
・教育
・書名当事者の規定
・分析機関
詳しくは下記画像参照

今回は禁止表国際基準に触れていこうと思います。

・禁止表国際基準

禁止物質についてはS0〜S9.M1〜M3、P1の分類がある

S0:無承認物質
S1:タンパク同化薬
S2:ペプチドホルモン、成長因子、関連物質および模倣物質
S3:β2作用薬
S4:ホルモン調節薬および代謝調節薬
S5利尿薬および隠蔽薬
S6:興奮薬
S7:麻薬
S8:カンナビノイド
S9:糖質コルチコイド
M1:血液および血漿成分の操作
M2:科学的および物理的操作
M3:遺伝子及び細胞ドーピング
P1:ベータ遮断薬

禁止薬剤の検索方法についてはGlobal DRO JAPANなどのサイトを使用すると良いでしょう。
また、漢方薬は複数の生薬による複数の有効成分が含まれているためアスリートの方には不向きかもしれません。有効成分の多さによりドーピング対象薬が含有されているかの判別が非常に困難となります。

・治療使用特例(TUE)

アスリートには適切な治療を受け、自身の健康を守り、スポーツに参加する平等な権利があります。
病気やケガの治療のために、禁止物質や禁止方法を使用せざるを得ない場合には、特例として承認を得た上で使用が可能となります。
承認を得るためには、TUEを取得するための条件を満たす必要があります。申請されたTUEは、アンチ・ドーピング機関で審査され、付与か却下が決定されます。
TUEが付与された物質・方法については、使用が認められた用量と期間にて使用できます。
TUEが却下された場合、その禁止物質・方法の使用をすることは違反となります。

スポーツファーマシー

アンチ・ドーピングには専門的な知識が必須となります。これをアスリートだけの責任にするのは到底無理でしょう。保険薬局で働く自分としてはここに薬剤師の専門性が必要であると感じました。保険薬局は日本全国に6万軒ほどと十分な数のリソースがあります。アスリートの方々が使用している薬に疑問がある時に、保険薬局を頼れる環境を作りたいものです。
薬剤師の資格をとったうえで、JADAが運営する「公認スポーツファーマシスト認定制度」事業の基礎講習と実務講習を受け、知識到達度確認試験に合格するとスポーツファーマシストの認定証が発行されます。このスポーツファーマシストが職能を発揮できる薬局(スポーツファーマシー)が普及していくといいですね。
うっかりドーピングという言葉があります。アスリートが使用した薬に、ドーピング認定される成分が含有されているが、知らずに使用してしまった場合がこれに当たります。先ほど禁止表についても触れましたが様々な薬剤が禁止されています。何気なく使用しただけでドーピング疑いをかけられるのはアスリートとしても非常に心苦しいでしょう、このようなこともスポーツファーマシーが未然に防げるように機能することができるとよいでしょう。

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