『unity1week Team-Up!!』に参加した話
普段ソロで参加しているゲームジャムにチームで参加したのでその感想を書きます。作ったゲームの企画や実装の話というよりは、チームアップで感じたことが主題です。
また、オススメタイトルの紹介もしない予定なんですが、1タイトルだけ挙げるとすれば『ゼロからはじまるクリスマスパーティー ~私だけクリスマスがないなんて許せない~』です
渋っていたTU参加
unity1week Team-Up!!(以下TU)は1週間でゲームを作るお祭り『unity1week』に、その場で集まった人達でチームを組んで参加するコミュニティです。
主催の湊あおいさんとはわりと付き合いがあって、TGSではおじさん2人で勝手にわくわくゲームズの彼女面をしながら各所に挨拶周りに行くくらいの仲です。なのでTUのことも知ってはいたんですが、参加しようという気にはなれませんでした。
そもそもuraconにとってunity1weekは休憩です。普段の大変なゲーム制作の気分転換にやるゲーム制作であって、あまりそこにパワーをかけすぎると本末転倒なので、ソロのときも「3日くらい考えて良い案が出たら参加するし、何も思いつかなかったら参加すんのやっぱやーめた」くらいの温度感で取り組んでました。
が、誰かと一緒にやるとなるとそういうわけにはいきません。作り散らかして終わりなんてことはできないし、自分より後の工程のことを考えながら作業に取り組まないといけないので、ソロのときより実質1週間が短くなります。現に、お題が発表されてから仕様をまとめるまでの約1日はここ最近で一番エネルギーを使いました。
スタンドプレーから生じる、チームワークだけだ
ゲーム作家をやるぞ、と思い立ってからはずっとソロで制作していました。他人にペースを乱されないし、やったことの責任は自分で取ればいいだけなので気楽でした。
一方で限界も感じており、これからもっと遠くまで行くには誰かと協力してやるべきなんだろうなとは思っていました。
理想的なチームは、最悪ソロでもなんとかできる人同士がそれでもお前とやった方がより良い、という判断で集まった人達だと思います。ここ数年の制作で、最後は一人でもなんとかできるぞという自信はつきました。
そういう課題感もあって、メインの制作ラインでも誰かとやる体制を整え始めたところで、練習のためにもTUに参加することにしました。
今だから言えるんですが、メンバー募集スレッドに応募があったときちょっと後悔しました。制作実績やプロフィールがちゃんとした人達だったので、今後自分が適当な判断をするとこの人達の時間を無駄にしてしまうかもしれないからです。やっぱやーめた、ができなくなってしまった……。
メンバーは立てる、我も通す
uraconはソロ参加のときメタパズル(ゲーム外にヒントがある謎解き)を作っていました。毎回お借りするフリー素材も同じもので、今ではそのイラストに愛着すら湧いています。
ただ、チーム参加となるとそもそもフリー素材を借りまくる必要がなく、また変なギミックを入れてしまうと作りが複雑になって、余計に振り回してしまう可能性もあります。
ゲームの主役はアートで、花形はサウンドです。集まったメンバーも技や個性が立った人達だったので、エンジニアのuraconは余計なことをせず、
ソロ参加のときの持ちネタは封印しよう……。
と、思ってはいたんですがが結局自分の持ちネタをねじ込みました。uraconが別でゲームをもう1本作って、2つのゲームをメタパズルで結ぶという形の着地です。
せっかく続けてきたことではあったし、自分が得意な自覚があることを足並みを揃えるためとか協調性のためとかで出さないのは、それはそれで手を抜いているようで不誠実に感じたからです。
自分のやりたいことだけを無理に通そうとしてメンバーの才能を殺すのはもちろんNGなんですが、それは自分らしさを出さなくていい理由にはならず、周りの皆のおんぶに抱っこという訳にもいきません。
『メンバーは立てる』『我も通す』「両方」やらなくっちゃあならないってのが「ゲ制」のつらいところだな
俺より強い奴に会いに行く
TUは良いコミュニティだと思います。おそらく招待制というのと、期間限定というのが集まっている人達の熱量を程よく保ってくれる要因なのではないでしょうか。
打ち合わせ中にプロトタイプを作ってアップし出す人や、体調崩した翌日に倍の速度で進捗出すような、そういう、つい口よりも先に手が動いてしまうような人達と仕事できるのはとても快適でした。
同時に、そういう人達にちゃんと付いていけたこと、置いていかれなかったことで自分の立ち位置が確認できたのも良かったです。
ただの仲良しサークルやワナビーの集まりではない、今ちゃんと現場で物作りに取り組んでる人達と絡むことで、普段のエンジニアリングやゲーム制作の研鑽を積んできたことの答え合わせができたようで嬉しかったです。
若い頃はブイブイ言わせとったんじゃ
もう一つ、自分より明らかに若い世代の人達の物作りを近くで見れたのも良かったです。
uraconが初めてゲームジャムに参加したのが15年くらい前で、48時間だったとか9日だったとかでなんやかんややっていたんですが、なんとなく楽しかったなあという思い出があります。
その頃の自分と同じくらいの年代の人とセッションできるのは素敵なことで、またこれはつまり、10年20年後に同じことができる可能性を示唆しています。
将来60代とか70代とかになったときに、どっかのDiscordサーバーに入って「ゲームジャムは30年ぶりに参加します。よろしくお願いします。」みたいな挨拶から始める未来が、もしかしたらあるのかもしれない。
そういう爺さんになれるよう、ずっとゲームを作っていたいなと思いました。
サッカーやろうぜ
ゲームで遊ぶのはもちろん楽しいんですが、やっぱり作る楽しさには到底及ばないと感じています。それがマルチプレイなら尚の事。
1行、1ピクセル、1バイトがより良くできるか? 昨日より今日の方がゲームをうまく作れるようになっているか? ということに興味が尽きず、比喩なしで一生やってられると思います。
そういう、ゲーム制作そのものの楽しさを再認識できた良い機会でした。興味のある方はぜひ。