ピースボートと私 その6
3LDKのシェアハウスには既に、ボランティアスタッフの男子大学生二名と男性スタッフ、女性スタッフがそれぞれ一名の計四名が住んでいた。
中々に荒ぶった状態の部屋に布団を運び入れた両親は、「まぁ…娘を宜しく」と言い残し山口へ帰って行った。
我が両親ながら肝が据わっていると思う。
私なら躊躇する。
ピースボートセンターには本当に色んな人がいた。
大学を休学してる人、自衛隊を除隊した人、高校中退した人、会社辞めちゃった人、大学生、高校生、専門学生、会社員、フリーター、おじいちゃん、おばあちゃん位の人、お父さん、お母さん位の人、老若男女とにかく書き出すとキリがない。
山口県の中の宇部市の、ある高校の、あるクラスで皆が普通に進む道から外れて、自分が異質なものの様に感じていたが、世の中には私よりヤバいヤツがいるとはっきり、しっかり理解した。
立場も違うし、考え方も違う。みんな違ってみんないいと思えるには時間がかかったが、居心地がよかった。
親の世話にはならん!と啖呵をきった手前(がっつり引っ越し手伝わせてるクセに)、生活費を稼ぐべく、近所のコンビニへアルバイトの面接に行った。
学生さん?と言う質問からの自分語りで(ピースボート、シェアハウスについて事細かに説明した)見事に落ちた。
一応、断っておくがバイトの面接に落ちたのは、後にも先にもこの一回きりである。