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読書の記録
読書の記録、と打ちつつ、最近本読めないんだよなぁ、と後ろめたい気持ちになっている。
ここ最近『○○賞受賞の感動作品』みたいな小説を二冊読んで、このどちらも全然刺さらなくてびっくりしたんです。
それぞれの賞には信頼を置いていたし、評判もいいし、わりと私が好きそうな雰囲気だったのにどうして……?という気持ち。いい話でたしかにホロリとはくるんだけど、どこかで「う~ん」という思いが出てしまう。
前回、2025年はこれまでとは流れが違う、ということを書いたけど、読書でもそんな空気を感じている。本のほうが良くない、ということじゃなくて、受け取る私側の問題というか、変化なのかなと思う。
今回はここ2ヶ月くらいで読めた本のなかからすこしだけ。
名前探しの放課後|辻村 深月
きっと面白いだろうと期待して読んで、やっぱり面白くて嬉しかった本。
辻村深月さんの本はティーン向けっぽい雰囲気のものばかり読んでる気がします。
読み始めから読み終わりまでずっと面白かったんですが、読み終わってやや釈然としない箇所があり、そこで調べたらこちらシリーズ物だったと判明。しかもどうやら初手で読むものではなかった様子。(それでも十分楽しめましたが!)別々っぽく見える作品が実は繋がってて……というのもまた、大好物。
ネタバレだから人物名は言えないけど作中で一番大変だろう役回りをしている子(たち)がいてすべて読み終わると「あいつすごかったじゃん……」となります。
こういうわくわくキラキラどきどきな話もっと読みたい。
またたび|さくらももこ
カルチャーショックがすごかった本。時代がいまと違いすぎる。
さくらさん一行がいろんな国に行って食べたり買い物したりするなかで「こんなに食べたのにたった○○円だった!」という描写が何度かあり、これがいまでは逆なんだよなぁ、いまなら日本に来た海外の人が思うことだよなぁ、と思うと20年でこんなに世界は変わるのか、と突きつけられた。物価が安くて人は素朴でいっぱい買ったら驚いてくれて、というエピソードも、なんともいえない気持ちになる。
それにしてもさくらももこさんは本当にエッセイがお上手だなぁと思う。石井さんのサングラスのくだりとか文章の構成が見事だと思いました。
もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら|神田桂一, 菊池良
思ったように本が読めない。小説はとくに読めない。という時期に、これまでとは全然違う選書をしようと思って読んだ本です。もうすっごくくだらない本読みたい気持ちだった。結果、ホントくだらなくて狙い通り苦も無く読めました。
すきな作家さんの文章は粗がわかってしまうんですが、なんとなく知ってるすこし読んだことある、という作家さんの文章が一番面白く読めます。
要は「カップ焼きそば」について書いてるだけなのに、文体でだいぶ雰囲気が変わるんですよね。人生訓っぽくもできる。これって面白いけど、怖い気もしました。
中身のない装飾されただけの文章って、世の中にいっぱいあるのかもしれないな、と。自分も無意識にそんな文章書いてしまってないかと考えさせられた。
また読めたら記録します。