【学科】名護市庁舎(用途/市庁舎)
前回からの続き【建築作品を学ぼう♪】シリーズ
今回は,沖縄県は名護市にあります、名護市庁舎.
この外観,一度はTVや建築雑誌等見られた事がある方,多いかもしれません.
Google Earthはコチラ.
■解説
『沖縄での建築とは何か』『地域との関係を捉えた新しい市庁舎のあり方』がコンペ要綱であった事から,沖縄の風土や気候を捉えた,屋上緑化や半外部空間のアサギテラスのパーゴラ,海風,陸風を内部へと取り入れた建築的空調の「風のみち」が建物の大きな特徴となっている.
エントランスホールのような内部空間はなく,建物中心部のピロティを介して東西に,内部空間が分けられており,壁がほとんど使用されていない(平面図はコチラ).
台風の襲撃から身を守るため,戦後,沖縄の一般的建築材料としては,コンクリートブロックが使用されてきた.そんなブロックを多用しているため,ローコスト建築でもあり,また,伝統的な積石造を表現するために,沖縄固有の赤土を採用し,赤と白の2色のブロックを使い分けているのも特徴.さらに南面道路側のファサードには56頭のシーサー(棟飾り)が並び,沖縄の精神性への配慮がなされた土着的な表現も特徴である(台風や塩害により,老朽化したシーサーが破損したり,落下する事故に配慮し,2019年にすべて撤去された).
議場や市長室などの一部を除いて,空調機械設備による冷房を行っていなかったが,パソコンなどの使用が増え,機械空調が導入されるようになった.ただし,風のみちという自然空調の計画手法だけでなく,屋上緑化やアサギテラスのルーバー状の屋根にブーゲンビリアなどをはわせる等して,断熱効果を高めるなど,そのトータルデザインは,「地方(地域)の建築とは何か?」を社会に問いかけ,ヴァナキュラー性※の意味を後の公共建築の設計コンペに多大な影響を与えた.
※ヴァナキュラー建築:気候や立地,そこに住む人々の営みといったその土地ならではの固有性に応じた建築
🏡実際行ってみた!~感想~
■学科試験ではどう問われる?
平成10年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です↓
【解答】◯
平成14年には,↓のような知識が問われました.
【解答】◯
平成22年には,↓のような知識が問われました.
【解答】◯
■まとめ【サマリーキーワード】
✅半外部空間アサギテラスのパーゴラ
✅建築的空調 風の道
✅伝統的な組積造
✅ヴァナキュラー建築
■建物概要(製図試験対策用)
【建 物 名】名護市庁舎
【設 計 者】Team ZOO(象設計集団、アトリエ・モビル)
【施 工】仲本工業・屋部土建・阿波根組JV
【所 在 地】〒905-0014 沖縄県名護市港一丁目1番1号
【竣 工】1981年
【階 数】 地上3階
【構 造】鉄筋コンクリート造
【敷地面積】 12,201.1m2
【建築面積】 4,774㎡
【延床面積】 7,351.8㎡
今回は以上です♪
次の建築作品へ続く
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