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しみと老い

 25歳くらいの時に、体感的な時が止まった。あれから4年も経つのに、心がまだ、体の年齢に追いついていない。

 気づかぬうちに、顔のシミがたくさん増えていた。老けたな、と笑うことしかできない。老いに抗う美容手術もあるらしいが、いずれにせよ行き着く先はしわくちゃのしみだらけのおばあちゃんであることに変わりはないのだから、私はそこにあまり意味を感じられない。

 それでも、「若さ」が失われてゆくことに対する恐怖はある。とてもある。美しさなんてはなからないが、そこからますます引かれてゆくだろう。ますます醜くなる。

 せめて心だけは、若々しくありたい。そして歳を重ねた分だけの落ち着きと、経験と、柔らかさを身に着けたい。ゆっくりといろんな物を手放しながら、諦めながら、年齢と流れていく年月と老いを受け入れながら、優しく年をとっていきたい。

 

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