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すい臓半分と脾臓全部がなくなった話①

 ロシア留学の3カ月前だってのにどうして。

 こんにちは。ураと申します。
先月、会社と交渉して、ロシア留学のための休職を内々に決定していただいたのですが、喜びもつかの間、なんとすい臓にのう胞が見つかりました。
かなり大きく、切除した方がいいとのことで、来月手術予定です。

 これまで精神以外の病にかかったことがなく、心はともかく体は健康優良児だったため、非常に驚きました。
しかもこののう胞、どうやら悪性のようで、ガンの可能性もあるそうです。わぉ。早期に発見ができてよかったと、心からほっとしています。

 このたび、いろんな「初めて」を経験しましたし、(おそらく特殊例だと思いますが)同じような症状が出ている方がいらっしゃいましたらお役に立てるかもという気持ちもあり、noteに投稿して記録として残しておくことにいたしました。
まだ検査の途中ですし、手術の結果どうなるかもまだ不明瞭ですが、お付き合いいただければ幸いです。

事の端緒…腎臓に影?

 3月初旬辺りから、どうにも胃の調子が悪く、空腹でも、満腹でも、なにか胃に違和感があるような感じがしていました。
3、4月の間は、「年末から春にかけてといえば暴飲暴食の時期(暴言)だし胃が荒れてんのかな…」くらいにしか思っていなかったのですが、5月に入ってもこの違和感が続き、どうにも気になるようになってきました。
「ロシアに行くまでに胃の調子を整えておかないと、向こうでご飯いっぱい食べられない」という不純な動機のもと、5月下旬に近所の胃腸外科を受診することにしました。

 胃腸外科では、お医者さんがエコー検査をしてくださいました。
以下、私が覚えている限りの会話です。
お医者さん(以下в)、私(я)
в「こちらで見る限り、胃はきれいですね」
я「あら。それはよかった」
в「ついでなので、ほかの臓器も見てみましょうか。こんな機会なかなかないですし」
я「(ええ…?)いいんですか?お願いします」
в「これが腎臓(右)ですね。きれいです」
я「ほうほう」
в「こちらは肝臓ですね。うん、問題ありません」
я「ほえー」
в「腸も大丈夫そうですね」
я「こんなじっくり自分の中身見たことないです」
в「ん?腎臓(左)に変な影がありますね」
я「ファッ!?」
в「これは…なんでしょうね」
(奥から別のお医者さんが飛んできて、看護師さんと3人でエコーの図を吟味)
я「え…大丈夫なんすか?」
в「うーん…専門ではないので何とも言えません…。…。念のため一度CT検査を受けられた方がいいと思うのですが、よろしいでしょうか?」
я「あ、もちろんです。なんかすみません」

 というわけで、胃腸外科の先生に、これまた近くの大きな病院への紹介状を書いて頂き、CT検査を受けることになりました。
そちらの大きな病院側の勧めもあり、ついでに胃カメラにも初挑戦することになりました。
この時点で私は、「まあ腎臓だし、最悪片方なくなっても一生塩分控えめになるくらいかな?」などと能天気極まりないことを考えていました。
ロシア行きに支障がないかどうかだけが、ただただ心配でした。

初めてのCT検査

 当日。
まずは、CT検査から受信することになりました。
血液検査→CT検査→胃カメラの順番です。
まずは、血液検査で血を抜いた後、CTと胃カメラのときに薬をスムーズに注入するため、左腕に針を入れました。
針を入れるとはどういうことか?ビジュアル的には注射器の先端部分を、常に腕に刺しっぱなしにしている、という感じが一番近いと思います。
これで針を刺したり抜いたりを繰り返さなくても大丈夫になるわけですね。すごいシステムだなと思いました。自分の腕に針が刺さったままなのはちょっとびっくりしましたけれども。
ちなみに、看護師さんに「腕を曲げたままにしていたら針が折れるかもしれません」と言われた瞬間が一番怖かったです。

 専門の機器の中に閉じ込められる図を想像していましたが、それはMRIの方でした。CTの機器は、どでかいドーナツみたいな形状をしていました。
ところで皆さんは、「造影剤」というものをご存知でしょうか。私は全く知りませんでした。こちらを注入することにより、臓器がよく見えるようになるそうです。ちなみに、副作用で、40万人に一人くらいの確率で死ぬそう。私、生まれて初めて生命にかかわる同意書にサインしました…。
造影剤は投与されると「体が熱くなる」そうで、実際投与されたのですが、本当に体が急にぽかぽかしてきて、思わず笑ってしまいました。
気温は高くないし運動をしたわけでもないのに体が温かくなって、汗をかかないという超新鮮な感覚でした。

 検査時間はそう長くなく、15分もなかったように思います。
これは女性の方にお伝えしたいのですが、CTやMRIを受けることがわかっている場合は、ブラはしていかないほうがいいです。
検査前にブラは金具がついている可能性があるので基本的に外さなければならないのですが、私の場合、針を刺したままなので腕が曲げづらく、ブラを外すのもつけるのも一苦労でした。ていうか折れないかめちゃくちゃ怖かったです。

初めての胃カメラ

 死ぬかと思いました。比喩ではなく。
胃カメラ、「苦しい」「つらい」などという声があるのは知っていました。
そりゃ喉奥に突っ込まれるんだから苦しいでしょうねとは思っていましたし覚悟もしていました。
しかし予想以上につらかったです。泣きました。20代後半のいい大人が号泣しました。
もちろん、やはり個人差はあるようです。
私はどうももともとえずきやすいタイプだったようで、麻酔や鎮痛薬を投入してもえずいてしまいました。思い出すだけでちょっとまだウッとなります…。

 胃カメラを投入する前、最初に、謎の白い液体を飲みました。胃をきれいにする効果があるそうです。味はなんともいえず…とても薄めたカルピスに小麦粉と片栗粉を投入したような味でした。
続いて、謎のどろっとした緑色の液体を飲みました。味はこちらもなんか甘い感じ。味の薄い水あめみたいでした…。続いて、その液体を今度は口に含んで、のどの奥の方で3分ほどとどめ置き、吐き出しました。
この時点で、舌がしびれてうまく動かせなくなったのと、のどが、つばを飲み込むときにうまく飲み込めない状況になりました。麻酔が効いていますね。

 最後、胃腸の動きを停止する薬を肩に筋肉注射してもらった後(コロナワクチンを受けられた方ならわかると思いますが、注入される瞬間が痛かった)、看護師さんに喉奥に麻酔を吹きかけてもらいました。
看護師さんは優しい方で、「さっき拝見したんですけど、同い年なんですよ私たち!」なんてかわいらしい声かけをしてくださいました。

苦しみの胃カメラ

 そんなほんわかした会話から一転。鎮痛薬を投与されて、頭がぼーっとなり始めた瞬間、胃カメラが喉奥にはいってきて速攻でえずきました。
すごいですよあれ。あの吐く瞬間のオエッがずっと続くんです。
しかも吐けなくて、逆にどんどん内側に押し込まれていく感じ。痛いというか、苦しい、という感覚でした。めちゃくちゃ苦しかったです。
吐く瞬間って、なぜか自然に涙が出てくるんですが、あれがずっと続いているせいでずっと泣いていました。
おぼろげな記憶の中、同い年の看護師さんが二の腕にそっと手を添えて「もう少しですからね」と言ってくださったことだけが救いでした。体に触れてもらうってすごいですね、あの瞬間だけなぜだかほっとしました。

 そのあとは疲れたのと鎮痛薬の効果で30分ほど爆睡していました。
終わった後は、のどに若干の違和感はありましたが基本的には元通りになりました。ただいま書きながら思い出しただけでちょっとウグゥとなりますね…。

すい臓の大きなのう胞

 検査の結果、腎臓ではなく、その手前にある膵臓にのう胞があることがわかりました。
しかも、大きさにして縦7~8センチ、横5~6センチ。
お医者さんをして、「たとえ良性ののう胞だとしても大きすぎる」といわしめる大きさでした。
なんと、この大きなのう胞が胃を圧迫して、それが違和感となっていたようです。
胃カメラの画像でも、圧迫されている様子が激写されていました。びっくり。胃が外側から押されてる図なんて見たことなかったですよ私。

 病名は「すいのう胞」。ただし、CT検査では、これが良性なのか悪性なのかの判断をすることはできませんでした。
お医者さんからは、①おそらくはガンではないが、詳しい検査をしないことにはわからない、②たとえ良性だったとしても、あまりにも大きいし、胃に影響が出ているから手術して取り除く必要があるかもしれない、という話をされました。
そして、生まれて初めてMRI検査の予約をして、病院を後にしました。

 続きます…



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