社員からインタビュー受けてみたらコロナ危機乗り越えられそうな気分になってきた。
NPO法人Ubdobe代表の岡ゆーくです。統括本部長の萩原しょこからインタビューを受けたので是非読んでみて下さい。
ゆーく:こんばんわ
しょこ:こんばんは
ゆーく:カモン
しょこ:えっと。コロナショックですね
ゆーく:そうですね!(お昼休みはウキウキwatching)
しょこ:どうですか?うちの事業は
ゆーく:いやーまずいですよ。5月から収入がゼロです。イベントとローカル事業部。
しょこ:いままでの危機でいうとなんばんめくらい?
ゆーく:二番目
しょこ:一番は
ゆーく:一番はやっぱ2011年の震災。。。ではなく倒産しかけた時かな
しょこ:あの伝説の。
ゆーく:あれはガチ危機。 俺の脳内が。 突っ走りすぎた。
しょこ:へー!すごい!冷静に反省をしている!!!!結局なんだったのあれは
ゆーく:客呼べる根拠もない野外フェスに保険もかけずに実行して当日が嵐。二日間開催で一日目が中止に。二日目も集客に大失敗して危機的状況になった。内容は良かったんだけどね。。。(多分)
しょこ:私2日目いたんですよね、会場に。
ゆーく:え。そうだっけ?やめてよ
しょこ:初のUbdobeイベント参加。お通夜みたいだった
ゆーく:おい。コンセプトがお通夜。
しょこ:野外お通夜
ゆーく:お通夜 under the sky
しょこ:集客目標とかはわかってなかったし、アーティストも豪華だったけど、とにかくみんなから「やべえ・・・」みたいな空気が漏れ出していた。
(その風景見ていながらよく就職したなあ)
ゆーく:あの頃は人の言うことを聞かず、そのくせ何かあるとすぐに人のせいにするようなクズでした。
しょこ:最低!笑
ゆーく:ごめん
しょこ:で、おいくら万円の損失だったの?
ゆーく:1000万円!!くらい!!
しょこ:うける。2日で1000万円
ゆーく:吹っ飛んだね
しょこ:大富豪の買い物
ゆーく:けど手元に金があるわけでも、資産があるわけでも、収入見込みがあるわけでもなく。ただただやりたいイベントをやって生きていた時期。
しょこ:危機どころか。「終了のお知らせ」じゃん
ゆーく:危篤ですね。どちらかと言うと。
しょこ:それって支払うべきものたちはどうしたの?借金?
ゆーく:ここからアンビリーバボーが始まるんですが、、、準備はいいですか?
しょこ:すでにアンビリーバボーだけど。どうぞ
ゆーく:そもそも支払うべきお金は、会場費・アーティストギャラ・警備費・什器備品レンタル代・レンタカー代・人件費・音響機材費・楽器レンタル費・デコレーション費・舞台監督手配費・・・などなど物凄い数あるわけですよ。しかも会場は遊園地。ステージは3箇所だったかな?
しょこ:誰か止めてあげて・・・!!!!笑
ゆーく:みんなイケイケだったね〜〜「スチャダラ呼ぼうぜ!」って
しょこ:ヒュ〜!
ゆーく:で、まー実際にはチケット収入が激薄で、協賛金もわずかだった。ただでさえチケット売れてないのに一日目中止。普通は野外フェスやる時には当然「保険」をかけるんだけど、俺の脳内にはその漢字二文字が入ってなかった。どこかに落としてきちゃったんだな。なので、支払うべきお金は手元にないけど、請求書だけが大量に手元に残ったわけです。
しょこ:どうしたの・・・・?
ゆーく:一言で言うと、 「逃げようとした。」
しょこ:おい!!!!!!!!!!!
ゆーく:確かそのころはNPOやりながらバイトしてて、収入は20数万くらい。あ、これ無理だ。 逃げようって思ったんだ。頭悪すぎるから、手元にあるお金で払えそうな請求書だけ持って銀行行って振り込んで落ち着こうとしたんだ。
しょこ:心理描写がリアル。シンプルな「パニック」
ゆーく:で、払えなさそうな請求書は、、、ファイルに入れてしまった。 そっと。
しょこ:ファイル!笑 そこだけ仕事が丁寧
ゆーく:今でも覚えている。クリアファイルに大量の請求書。。。 さようなら って。けど、もちろんそんなわけにはいかないわけです。1ヶ月くらい経った頃から「支払いまだですか?」の連絡が入り始めた。そこでさらに逃げた。「請求書もらってましたっけ?あれ?ないなー。もう一回送れますか?」とか言って。
しょこ:か、かっこ悪い!!!!!!!!!!!!
ゆーく:そうやって逃げて逃げて逃げ切ろうとしたんだけど、無理だなと思って家族に相談したの。「俺、やっちまった。事業で失敗して負債を抱えてる」って。そしたら家族全員がブチギレて「お前ってやつは!!!!」「そんな金額無理だ。破産しろ」となったわけです。それから「破産申請」をググってですね、色々と調べるわけです。あーこれしかないんかなーって。けど、なんかいきなり「違う!ダメだ!やめたらあかん!!!!」って聞こえてきたような気がして。
しょこ:ほう。そこから?
ゆーく:今でも覚えている。京王井の頭線の渋谷駅の改札を入る手前で兄貴に電話したの。「俺やっぱりどうしても法人を潰したくない。家族全員を敵に回したとしてもやり続けたい」とか。カッコつけて。改札の手前に柱がいくつか並んでるんだけど、そこにもたれかかって泣いちゃったんだよね。
しょこ:野暮な質問かもしれないけど、どうしても潰したくないって思いはどこから湧いてくるんだろう?
ゆーく:活動を始めたきっかけが自分の母親の死だったり爺ちゃんの病気だったり、離島で出会った障害児の子達だったり「人」だったのでその人たちの顔が浮かんできたのかなー。多分。
しょこ:うんうん
ゆーく:そんで、兄貴に言われた、「そこまで本気なら、全てを削ぎ落として生き残るしかない。」って。数日後に兄貴と中目黒のスタバで会って2時間くらい、事業整理をしたんだ。うちの兄貴は凄腕コンサルタントで、話終わった後に「これ仕事だったらいくらくらい取るの?」って聞いたら「◯◯◯万円かな」って言われたのを覚えている。その事業整理の中で、(当たり前だけど)「支払いを待ってもらっている人にとにかく正直に話せ」って言われたの。こんな状態にもかかわらず変なプライドが邪魔してたのか、とにかく誤魔化し続けていた。そのプライドを一つ一つ殺していくしかなくて、これが結構大変だった。で、アーティストさんやマネージャーさんやデコレーション会社さんや舞台監督さんに正直に連絡して行ったんだ。直接会って謝って、支払う時期の約束すらできないことを打ち明けて。皆さん本当に天使なのかと思うような対応で、支払いを待ってくれたんだけど、その中でも舞台監督さんの対応が凄すぎて。
しょこ:ほう
ゆーく:俺が法人を潰すかどうかの瀬戸際だみたいな話をしたら怒られたんだよね。「ふざけんな金払えや!!」って言われるのかと思ったら違くて、「俺、来年子供が生まれんだ。その子がどんな障がいを抱えていてもお前の団体の活動があれば安心して育てられると思ってそもそも参画してんだよ。簡単に辞めるとか言ってんじゃねーよアホ」って言われたのです。で、その人が楽器とか音響機材レンタル全て取りまとめてくれていて、後からわかったんだけど、取りまとめていた人たちへの支払いを俺に替わって先に支払ってくれていたのよ。。。
しょこ:かっけえのう・・・
ゆーく:今もしょっちゅうお世話になっている大◯エレ◯創業と言うデコレーション会社さんの社長にもとある大雪の日に事務所に行ったのを覚えている。お茶出してくれて、座んなよって。俺がなかなか話をし始められないのを悟って、「最終的に払ってくれれば、いつでもいいから。それだけでいいよ。」って言ってくれたの。逃げて逃げて逃げまくっていた俺を、皆さん本当に神のような言葉で包み込んでくれたんだ。だから、もう辞めるなんて言えない。何があっても、必ずや全てのお金を返して一から出直さないといけないと心に決めた。それからやってた事業の7割くらいを削って、残り3割くらいの事業に集中して伸ばすことに決めた。それで生き残ったのが「Ubdobe Caravan」と言う野外フェスにおけるキッズゾーン運営事業。「Ubdobe LAB」と言う行政や企業などのデザインやイベントを受託制作するお仕事。「WellCON」と言うトークイベント事業。確かこんなもんだった気がする。ここまでいくのに多分ざっと半年くらい経ってるのよ。それくらい、逃げてた。最終的には2年以上かかって全ての人たちへの返済を終えたんだ。
しょこ:逆によくそこまで逃げられたな。逃げの天才(褒めてない)
ゆーく:人生逃げ続けてきてきたから。この時じっと待ってくれた方々には本当に感謝と謝罪の気持ちしかないです。
しょこ:でも、今まさに同じような心境の人はたくさんいるんだろうなあ。今まさに逃げてる人がいるかもしれない
ゆーく:あー確かに。正直に言うね。死ぬよりは逃げろです。
しょこ:いやほんとにそれよ。
ゆーく:俺は逃げることで半年は生き延びた。その半年間で周りの人に偶然頼れる素晴らしき人間たちがいたから、その後も生き延びれた。生き延びるの、大事。生き延びたら、さらに生き延びれるチャンスがいつどこでやってくるかわからないから。
しょこ:今めでたく2回目の危機を迎えているわけですしね
ゆーく:もしかしたら、あの時に真正面から向き合っていたら、、、どうなってたかわからない。。。。と言う逃げの正当化。
しょこ:後からならなんとでも言えるよね、いい意味で。
ゆーく:とにかくずっと逃げ続けてきたし、これからも逃げることがあると思う。
それで生き延びるならそれでいい。それが最低ライン。やり直しはきくから。で、今回の危機、コロナ。これはあの時と比べたら全く状況が違う。そもそも原因が自分だけにあるわけじゃない。こういうことがあっても安定的に事業継続できる仕組みをきちんと事前に考えておかなかった責任や原因は自分にあるけど、危機の発生原因そのものではない。だから、、、なんていうか、、、言葉選び難しいけど、、、あの時より楽。
しょこ:みんなセーノで大変だからね
ゆーく:なので、国も補償に動く。これは本当にありがたい。正直言って全然足りないけど、ありがたい。ないよりは全然いい。今回は逃げないんだなー、ぼくちん。ぼくちんも2011年のその危機から約10年経ってちょっとは成長しているようで、割と冷静ではある。
しょこ:ぼくちん・・・・!
ゆーく:が、2020年当初予定していたお仕事がほぼ全て吹っ飛び、被害総額が大体8000万円〜9500万円くらいかな?
しょこ:だいたい同額やん!
ゆーく:何が?
しょこ:嘘ついた。桁が違うのか
ゆーく:そうだね。あの時の9倍くらい。ただ、「負債」ではないからね。2020年の年末まで予定していた事業が消えた分がそれくらい。きついよね。きつすぎる。給与も家賃もあらゆる支払いは待ってくれない。2011年当時、定期的にお金を支払って関わってもらってた人数は1-2名。2020年現在、30名超えてるからね。15倍くらい。やばいっす!
しょこ:責任の重さも15倍
ゆーく:いや、責任の重さはもっとだね。雇用とか業務を委託している人に対する責任もあるけど、事業そのものを継続させるという責任があるからね。あの当時は「イベント」だったけど今は「サービス」にしようと事業を昇華させていた途中だったから。それがコロナの影響で潰れたら、それまでの投資もこれからの計画も全て消えてしまう。やばいっすね!
しょこ:でも。潰さないのでしょう?
ゆーく:そうですね。なんとかします。雇用周りの補助金・組織そのものへの給付金・事業への融資を段階的に活用するのを最低ベースラインの守りの体勢として、攻めの計画も立てています。イベントのオンライン化、会員制度の刷新、クラウドファンディング、その他新規事業などなど。
しょこ:すでに社員や仲間たちから素晴らしきアイディアが出始めているものねえ
ゆーく:そうそう。潰さないっていうか潰れないっていう感覚がある。なぜならば、今は一人じゃないから。相談できる人がいて、考えてくれる人がいて、動いてくれる人がいて、、、あれ? 俺やることなくね? みたいな。
しょこ:笑
ゆーく:俺の仕事は多分、「潰さないこと」 それだけだと思う。こういう時。
しょこ:たぶん、9年前の君の状態とはちょっと違って、プライドに変わる何かが芽生えてることが、周りの人も自分で考えて一緒に動きたい!って気持ちにさせてるんだろうね
ゆーく:人に褒められるの慣れてないのでやめてください
しょこ:褒めてない
ゆーく:いい話っぽい
しょこ:もうちょっと崩したいけど。こういう感じでよかったんだろうか?
ゆーく:まー、でも事実だからな。今の感覚も正直なとこだし。
嘘はついてない。
しょこ:良いこと!!!
ゆーく:だから、大丈夫!とか言って3週間後くらいに潰れてるのがウブドベ。
しょこ:笑う。。。笑えない
ゆーく:君は、不安はないのかい?こんな時代に、こんな法人に勤めていて。
しょこ:たぶん、今「就職する?」って聞かれても、するよ
ゆーく:ほう。なぜ。
しょこ:①シンプルにやりたいことだから ②君の末恐ろしいほどの生命力を信頼しているから ③これしかできないから 以上
ゆーく:③の「これ」とは?そして②のゴリラ感やめてw
しょこ:普通に社会不適合なので、ここでしか働けない
ゆーく:福祉 for しょこ
しょこ:今日も会議中寝たし。すやすや
ゆーく:いやまじで寝てたよね。すげー会社だな。
しょこ:これだけ一生懸命やりたいことって言って会議で寝ちゃうのやばいでしょ。重症
ゆーく:新入社員の前でね。
しょこ:起きたら新入社員いなかった。悲しい
ゆーく:そんなUbdobeは、スタッフを求めています!!!!この時代に、この状況の会社に、勤める方、いますか????
しょこ:ツワモノーー!
ゆーく:なんか最後に求人とか貼っといたらどうよ。デジリハLAB・ローカル事業部・就労支援関連とかとか募集していくじゃん?
しょこ:デジリハ(明日くらいに流せるはず)
ゆーく:いいね。じゃー、そんな訳で。ONE RECORD STOREをよろしくー!!
しょこ:そっちかーい!
ゆーく:真面目に締めると、、、そうだなー。「どんな手を使っても生き延びようぜ」かな。
しょこ:おう
ゆーく:というわけで、ONE RECORD STOREをよろしくー!!
完
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