2050年都市ビジョン研究会
2050年都市ビジョン研究会のメンバーがそれぞれの視点から2050年の都市の将来像や実現に向けた方向性を考えます。
「Urban+Planning VISION 2020(提言書ver1.0)」の公表から3年、研究会メンバーを増強してさらに検討を続けてきました。このたび「2050年都市ビジョン提言書バージョン2.0」を2024年5月29日に公表しました。 【要旨】人口減少・超高齢社会、大規模災害の頻発、新型コロナウイルス感染症の脅威など、わが国を取り巻く社会・経済情勢が以前にも増して変化する中、都市づくりも新たな時代への対応が求められている。 このため、都市計画コンサルタントや行政職員、
第6回目のミニ講演会は、株式会社風景屋代表としてご活躍され、十和田湖畔のメンバー登録制ゲストハウスyamajuを運営されている小林徹平さんに「地方における多様な暮らし方と働き方」という内容で御講演いただきました。 小林さんからは、十和田湖畔の魅力を最大限に活かしつつ、yamajuの交流機会創出の仕組みについてご紹介いただき、yamajuを運営する事業者という立場から、地域住民の立場に立ち当事者意識を持つことの重要性についてお話いただきました。 また、都市と地方の境界は様々なグ
第7回目のミニ講演会は、札幌駅前通まちづくり株式会社取締役統括マネージャーの内川亜紀さんに「札幌駅前通地区のエリアマネジメントの取組」をテーマにご講演いただきました。 札幌駅前通まちづくり株式会社は、札幌駅前通地区を対象区域とした「公共的空間の運営」「エリアの計画づくり」によるエリアマネジメントに取り組んでいます。内川さんからは、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ) および札幌市北3条広場(アカプラ)の運営内容やそれらの柔軟な利活用を通したエリア活性化実現のための行政・地元・
第5回目のミニ講演会は、佐賀県県土整備部佐賀土木事務所でご活躍の井手勝隆さんに「行政マンが描くこれからの都市の姿~地方都市におけるまちづくりの取組を例に~」という内容でご講演いただきました。 井手さんからは、大分県竹田市在籍時の、まちづくりの経緯、都市再生整備計画での取組、城下町を大切にしたまちづくり、佐賀県庁在籍時の、点字図書館の改築事業、そして、大分県出向時の竹田市の都市計画道路の廃止等、行政マンとしての多様な経験をお話いただきました。 講演後の研究会メンバーとの質
第4回目のミニ講演会は、MONET Technologies株式会社事業推進部東日本地域事業推進課でご活躍の川原正樹さんに「Mobility Innovation モビリティサービスを通じて、人々の暮らしをもっと豊かに」という内容でご講演いただきました。 MONET Technologies株式会社は、クルマや人の移動などに関するデータを活用してサービスと移動が融合した次世代モビリティを創出し、社会課題の解決や新たな価値創造を可能にするMaaS事業に取組んでいます。 川
第3回目のミニ講演会は、ひたちなか海浜鉄道株式会社の社長としてご活躍の吉田千秋さんに「ひたちなか海浜鉄道の歩み ~前例なき地方鉄道延伸に向けて~」という内容で御講演いただきました。 ひたちなか海浜鉄道は、茨城県ひたちなか市にあり、JR勝田駅と阿字ヶ浦駅を結ぶ、全長14.3km、駅数10駅の単線非電化路線です。2007年には旅客減で廃線の話もありましたが、その後、官民一体による活性化に取り組んできました。 吉田さんからは、2008年に社長に就任後、地域、行政と上手く連携しながら
第2回目のミニ講演会は、三菱地所株式会社の都市計画企画部兼スマートエネルギーデザイン部でご活躍の重松眞理子さんをお呼びして、「2050都市像にむけて/大手町・丸の内・有楽町地区における取組」という内容で御講演いただきました。ご講演には、三菱地所株式会社の井上俊幸執行役員(都市計画学会副会長)にもご同席いただきました。 今回重松さんには、特に東京駅を含むエリア面積約120ha、約4,300事業所を抱える大手町・丸の内・有楽町地区において現在起きているまちの変化、また、これから
当研究会の記念すべき第1回目のミニ講演会は、多業家・深谷信介さんです。 深谷さんは、メーカー、シンクタンク、外資系エージェンシー、広告会社、行政、大学等様々な業界に身を置きながら、マーケティングをベースに、モビリティデザイン、地方創生、事業コンサルティング等、様々な分野で活躍されてきた、大変ユニークな経歴の持ち主です。現在はノートルダム清心女子大学人間生活学部教授・名古屋大学未来社会創造機構特任教授のお仕事を核に、多岐にわたる分野・職種のワークに携わられております。 モットー
2021年6月14日に、新型コロナ禍による影響も踏まえた将来の都市ビジョンとして、「Urban+Planning VISION 2020(提言書ver1.0)」を公表しました。 【提言書のポイント】 ❶共通理念は「つながる都市 -出会い、交流し、ともに暮らす価値が得られる都市へ」 2050年の将来都市像の共通理念は「つながる都市 近くにいなくてもつながる時代だからこそ、出会い、交流し、ともに暮らす価値が得られる都市へ」とした。これは、IoTやスマートシティなどの技術革新の
伊東 博史 パシフィックコンサルタンツ株式会社 社会イノベーション事業本部 総合プロジェクト部 平成31年4月より働き方改革関連法が施行され、多くの企業等において多様な働き方の実現に向けた取組が進められてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方を取り巻く環境は一気に変化しました。そのような働き方の変化に伴い、大都市と地方との関係性も、今後、大きく変化していくことが想定されます。2050年の大都市と地方との関係はどのような関係になるのでしょうか? 働き方改革
脇門 裕子 株式会社コムテック地域工学研究所 地域リノベーション室 古くから人々は観光により非日常を楽しみ、仲間との親睦や訪れた先の人々との交流を深めてきました。その歴史は、平安時代の熊野詣に始まると言われています。また、近年は成長産業として経済効果も期待されてきました。ところが今、コロナ禍により、その意義、形態が根本から問われています。 訪日外国人旅行者数の推移(出典:令和2年観光白書) 近年は、国内旅行が低迷していましたが、アジア諸国の経済成長に伴い、インバウンドが
松下 佳広 ㈱国際開発コンサルタンツ 東京支店 計画・交通課 近年シェアリングエコノミーが急速に進んできましたが、コロナ禍のなかで他人とモノや空間等をシェアすることのリスクも浮き彫りになりました。2050年のシェアリングエコノミーはどうなるのでしょうか? 少なくともコロナ禍の直前まで、カーシェアリング、民泊、コミュニティサイクルなどのシェアリングエコノミーは急速な拡大、多様化が進んでいることは明らかでした。皆さんも、例えばコインパーキングで駐車マスの多くの部分がいつの間に
堂下 和宏 さいたま市 都市局 都市整備部 東日本交流拠点整備課 2020年から30年後、2050年のショッピングはどうなっているでしょうか。 逆に30年前の1990年はどうだったかと考えてみると、バブルの時代です。ミレニアル世代の筆者には想像のつかないようなお金の使われ方もなされていたのでしょう…。一方、インターネットやスマートフォンの普及等により、当時多くの人が想像しなかった手段と速さによるショッピングが行われているのが現代です。 近年、ネットショッピング市場がますま
立山善宏 昭和㈱ 都市調査事業部 働き方改革により多様な働き方が認められ始め、テレワークなどはコロナ禍のなかで企業等において急速に取り入られるようになりました。2050年の働く場所(ワークスタイル)はどうなるのでしょうか? テレワーク導入企業は増加の傾向 近年、生産性や勤務者のワークライフバランス向上等を目的にテレワークを導入している企業は増加傾向にありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、この傾向は一層強まっています。 テレワークの導入状況(出典:令和元年通信
望月 啓史 ㈱オオバ 東京支店 まちづくり計画部 計画設計課 近年、コミュニティは、地縁型のコミュニティだけでなく、SNS等、多様な展開が広がりつつあります。今回コロナ禍で会合が開催できない等の課題が顕在化する一方、オンラインによる交流も活発化しています。2050年の「コミュニティ活動」はどのようになるのでしょうか? コミュニティに関する近年の動き 従来の地縁型のコミュニティ活動を超えて、次のコミュニティが広く展開されています。 ①地縁等に基づくコミュニティ→②へ ②
河合 啓太郎 (株)トーニチコンサルタント 本社事業本部計画本部計画調査部 鉄道やバス等の公共交通は、高齢者や子供連れをはじめ障害を持たれる方など、移動が制約される方にとって、自立して生活するためには欠かせない移動手段です。 2050年、これから30年後の公共交通は、私たちの生活にどこまで寄り添うことができるのでしょうか。 公共交通を取り巻く厳しい環境 公共交通を取り巻く環境は、地域や事業によって一概に同じ傾向にあるとは言えませんが、例えば、バス交通は、輸送人員の減少、運