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「支払い.comはお客様の人生を応援できるプロダクト」事業責任者の語るリリース2年半でGMV700億円を実現した支払い.com事業のこれまでとこれから

UPSIDERが提供する、中小企業や個人事業主の資金繰りの課題を解決するサービス、「支払い.com」。リリースから2年半で、GMV700億円を突破しました。

同事業の事業責任者を務めるのが、現在22歳のItta(伊藤 一汰)さんです。彼はどのようなキャリアを経て、現在の立場にたどり着いたのでしょうか。

なぜ支払い.comはこれまで成長することができたのか、そしてIttaさんはチームを率いるうえでどのようなことを大切にしているか。支払い.comのこれまでの歩み、将来の事業の展望、目指しているチームづくりについて、Ittaさんに語ってもらいました。


自らの意思で事業責任者に。インシデント対応で責任を強く自覚

ーー以前のインタビューでもお伺いしましたが、改めて簡単に自己紹介をお願いできますか?

Itta:伊藤 一汰(以下、Itta)です。現在は「支払い.com」の事業責任者を務めています。UPSIDERに入社したのは2023年2月で、1年半ほどが経ちました。

入社当時は支払い.comのサービスをリリースして1年経っていないような時期で、ビジネスサイドの2人目のフルタイムメンバーとして加わりました。最初はカスタマーサポートや不正検知といった事業の根幹となるオペレーションの役割を担っていましたね。

その後、より事業成長に貢献していくために、マネージャーの採用を行いつつ、マーケティングやパートナーセールスなどの新規顧客獲得の役割に対して責任を持っていくようになりました。

そして、徐々に結果を出せるようになってきたところで、より既存のお客様にとって価値を届けられるサービスになっていくために、カスタマーサクセスの立ち上げを行い、自分自身も実際にお客様のもとへ足を運んでいました。

そのような順番でジョインから1年間をかけてビジネスサイドの一通りの役割に対してを責任をもつようになり、今年5月からはプロダクトの開発も含めた支払い.com事業全体を管掌する事業責任者になりました。

事業の損益に対する責任、足元の事業計画上の数字への必達もそうですが、来期やさらに先も事業が非連続的にグロースできるように仕込みを進めたり、カード事業と連携して新しい仕掛けを生み出したりと、未来に向けた動きにも責任をもつようになっています。

ーー事業責任者を務めることは自分から意思表示をしたのでしょうか。それとも声がかかったのでしょうか。

Itta:自分で意思表示をしました。今年のお正月明けに、Tomo(水野)と1on1で話す機会があり、「今年は30人ほどのメンバー規模の事業の責任者をやりたい」と伝えたんです。当然そこですぐにYesとはなりませんが、そこからひたすら責任者として不足していることをTomoと一緒に解消していき、期が変わる5月のタイミングで正式な就任に至りました。

特に、事業の責任を持つ覚悟が強くなったのは、支払い.comのサービスが一部うまく機能しないインシデントが発生した際に、最前線に立って対応したときです。その日に、とても大きなイベントがあったのですが、自らそれを投げ打って対応することを決めました。以前であれば上長に頼ってしまっていたところも自らの意思でそのようなアクションを取ることができたことによって、「責任を持つ」ということの意味の理解が深まったと思います。

支払い.comを通じて、お客様の人生を応援できる

ーー支払い.comのサービス概要について、あらためて教えてください。

Itta:支払い.comは、中小企業や個人事業主の方々の資金繰りの課題を解決するサービスです。中小企業や個人事業主が、本来銀行振込で行う取引先への請求書のお支払いや従業員への給与、家賃や光熱費などをクレジットカードによる決済に切り替えることで、出金を最長で60日後に延ばすことができます。

こうしたサービスは、BPSP(Business Payments Solution Provider)と呼ばれて広まっています。支払い.comは、町工場や飲食店を個人で経営されている方がお客様に多いです。

このサービスは、Tomoが町工場を営む家庭で育ち、資金繰りに苦労する家族の姿を目の当たりにしていた原体験から着想を得て生まれています。海外で先行する金融サービスの事例なども参考にしながら、現在の支払い.comの形になっていきました。

現在の支払い.comが想定している市場のサイズは、約7兆円規模となっています。これは、これまで同様の課題解決を行ってきたファクタリングを参考に算出しております。具体的には、金融機関から十分な融資を受けられず、資金繰りに困っている中小企業の経営者の方々の運転資金需要になると考えています。ここで言う中小企業とは年商50億円以下の企業であるケースが多いです。

また、今後は、支払い.comを通じてより信用力が高まっていったお客様に対してよりよい経済条件のファイナンスをサービスを提供することを見据えています。現在、BPSPの多くは年率24-48%といった手数料がかかるのですが、一方で、金融機関やノンバンクが提供する短期ローンや融資は1ケタ%といった年率で提供されているんです。ここには経済的に大きな乖離があると考えており、今後1〜3年ほどのあいだで、一定信用力の高い中小企業を対象に現在よりも安い年率サービスを広げていければと考えていますね。

ーー中小企業の資金繰りの厳しさを感じたエピソードはありますか。

Itta:長浜さんという、建設業界で一人親方としてご活躍されているお客様がいます。過去には毎月末、口座残高を見ては直近の支払いが間に合うかどうか不安を抱えている状態で、取引先に支払い期限を延ばしてもらうために頭を下げたりしてしのいでいたそうです。そのため取引先の信頼を失ってしまい、足元を見られた交渉をされてしまうケースも少なくなかったそうです。このように、負のスパイラルに陥ってしまった結果、心理的な負担から夜も眠れない日々が続くこととなってしまいました。

そんな時に、支払い.comをご活用いただいたところ、出金のタイミングが後ろ倒しになったことで資金繰りが改善。負のスパイラルから抜け出して不眠が解消されたほか、仕事を積極的に引き受けることで取引先へ強気に交渉できるようになるなど、長浜さん自身の人生が上向き、さらにビジネスも好転するという結果になりました。

このような事例を目の当たりにすると、サービスが役立ってと嬉しいと感じる反面、中小企業や個人事業主の方々にとって資金繰りが厳しいことがいかに重大な悩みであるかを実感します。

支払い.comの成長を牽引する、こだわり抜いたサービス体験

ーー支払い.comの成長を支えているのはどんなところなのでしょうか。

Itta:サービスの体験に徹底的にこだわっているところですね。ITサービスを使い慣れていない業界・業種の方も多く利用されるので、直感的でわかりやすい体験を届けることはとても大切です。入力項目を少なくすることで負荷を下げたり、不要な情報提供を求めないようにしたり。あとは支払いが完了するまでの導線をつくり込むなど、UI・UXにはとにかくこだわってきました。

また、各業界のユースケースをヒアリングして情報収集し、お客様に寄り添うかたちでサービスの体験として落とし込むことも、支払い.comでは大事にしています。最近は社会保険料の支払いにも対応できるようになったのですが、これはヒアリングをもとに支払い.comが独自に提供し始め、現在では通知が鳴り止まないほどお客様の方々にご活用いただいています。業界や業種の隔てなく、資金繰りに困っている企業の力になれるようなサービス作りを大事にしていますね。

こうした理由から、支払い.comでは他社サービスよりも高い4%という手数料水準でもお客様から価値を感じて選んでいただくことができています。適切なプライシングによりマーケティングや、プロダクトの開発、さらに将来のビジネス創出に向けた投資に踏み切れています。特にPMFした段階から広告への投資にスピード感をもってアクセルを踏んだことは、これもサービスの成長の要因のひとつです。

今後10年、20年といったスパンでお客様へ価値のあるものを届けていくことに挑戦するためには我々もしっかりと利益を創出していく必要があります。業界の中で高い手数料水準であったとしても、しっかりとお客様に選んでいただけていることが私たちの何よりの強みであると考えています。


メンバーの可能性を信じることが事業を大きく成長させる

ーーお客様のユースケースという一次情報を収集して、それを開発に生かすために、チーム体制の構築などで工夫したことはありますか。

Itta:去年まではビジネスサイドと開発サイドで定期的にコミュニケーションをとる機会が少なかったのですが、私が事業責任者を務め始めたタイミングから、プロダクト定例という会議体を新たに設けることにしました。

ビジネスサイドが収集した情報をもとにした仮説をブラッシュアップしながら、開発の優先順位を決めることを目的としているのですが、週次でビジネスメンバーと開発メンバーがコミュニケーションする場ができたことで、副次的にMTG以外の場面でも双方のコミュニケーションを増やすことができたことが良かったなと。今ではビジネスサイドから挙がった課題をもとに、最短1日で開発サイドが新しい機能を実装するようなケースも現れています。

ーー事業を率いるリーダーとして、大切にしていることはありますか。

Itta:仲間を信じて背中を預けることを大切にしています。こうしてほしい、ああしてほしいと思ったことをやってもらうだけでは、事業が自分のキャパシティを超えて成長しないと思うんです。

最後は私が責任をもつということは大前提で、仮に今は難易度が高いと思われるようなミッションでも、メンバーに打席に立ってもらうことを心がけています。それは正社員でもインターンでも変わりありません。そんななかで私は、メンバーの自己効力感、自分ならやれると思ってもらえるような雰囲気づくりを念頭に、各メンバーとコミュニケーションをとることを大事にしています。

あとは以前よりもロジックが無くても大きな目標を公言することを意識的に行っていますね。事業責任者である以上、いちばん大きな目標を掲げないと、それ以上のことは成し遂げられないと考えています。

最近は、「あと4年で支払い.com事業単体でのユニコーン化を目指します」とメンバーに言い続けています。その結果あるメンバーから私に対して、「ユニコーンを目指すのであれば、これをしたらダメなんじゃないですか?」と、逆にお尻を叩かれるようなことも増えてきました。ここまで色々な人に大口を叩いてしまうと、もう逃げることは許されませんよね。

リーダーとして、今は山の登り方がわからなくても、どうやったらそこに登れるのか?を諦めずに考え続けるのことも大切な役割だと感じています。


支払い.comが目指す未来

ーー今後の支払い.comの挑戦について教えてください。

Itta:支払いの延長や分割払いといった新しいスキームを、支払い.comで実現したいと考えています。これは先にお話しした、よりよい条件のファイナンスサービスの提供にも通じるのですが、例えばお客様の信用力に応じて支払いを分割できたり、支払い期限を現在60日後ろ倒しにできるところを90日、120日とさらに延ばせるようにするなど、資金繰りの課題のグラデーションに合わせたソリューションを届けていきたいです。

こうしたアイデアは、現在提供しているBPSPのサービスを通じてもそうですし、私たち自身が金融機関になっていくことでローンや立替払いといったかたちで提供できる可能性もあります。

具体的な手段はまだこれから考えることになりますが、支払い.comを活用することで資金繰りが改善し、事業が成長して信用力が高まった中小企業や個人事業主の方々をさらに支援し続けられるよう、サービスを届けていくことが未来の構想です。

ーー将来目指す事業展開に向けて、支払い.comチームの組織づくりについてどのように考えていますか。

Itta:直近の1年は、既存のマーケットに対して支払い.comのもつ課題解決の手段を急速に広めていくことが最重要だと考えています。そのため、事業のグロースを担っていただける方々を採用したいですね。あとはセールスやサポートといったポジションで、すでに生まれている課題を解決できる方にも加わっていただきたいです。

さらに先へ時間軸を伸ばすと、これから新しいサービスをいくつも立ち上げていく必要があります。その際、自分の背中を預けられるような人に仲間になってもらうことが必要なのかなと。既存のマーケットシェアを広げるだけではなく、新しいマーケットをつくっていくためにも、新しい事業責任者に仲間になってもらい、一緒に事業をつくっていけるような体制に今後1、2年かけてしていきたいですね。

誰もがやりたがらないけど最も重要な課題に逃げずに取り組むことができる人。できなかった時にちゃんと責任を取れる人。売上や損益、採用人数といった具体的な目標の数字に対してコミットし続けられる人。アイデアや解決策を考え続けて、具体的なアクションに繋げることができる人。一次情報を大事にしてユニークな示唆を導き出せる人。お客様の痛みに共感して、それを心から解決したいと思える人。新しい事業責任者として来ていただく仲間としてそんな方をお迎えしたいと考えています。

ーー最後に、UPSIDERへの入社を考えている方々にメッセージをお願いします。

日本の法人の99%がいわゆる中小企業です。雇用で考えると7割、売上などの付加価値で考えても5割を占めます。支払い.comは、私たちはそんな中小企業の運転資金需要というとても大きなマーケットに挑戦しようとしています。中小企業は大手企業のように優秀な財務担当者を豊富に抱えているわけではありません。エクイティや社債のような多様な調達手段を選択することはなく、基本的には借入に頼る傾向にあります。

一方で、企業と金融機関の情報の非対称性も大きく、金融機関も中小企業に対してはなかなかリスクを取りづらいです。借入についても十分に受けられないケースが非常に多く、資金繰りに困る企業も少なくありません。私たちはそんな方々にシンプルな方法でファイナンスのサービスを届けることを目指しています。

現在の支払い.comでは銀行振込のお支払いを最短1分でカード決済に切り替えることで最大60日支払いを延長することができます。そして今後はさらに長い支払いサイトや分割支払い、短期ローンといった多様な手段で中小企業の資金繰りを支えることを構想しています。

非常に難易度の高い挑戦です。多くの制約を乗り越えながら実現していかなければなりません。そんな挑戦に少しでも興味を持っていただけた方と是非お話しをさせていただきたいです!


支払い.comでは採用を強化しております。
ご興味のある方、ぜひ一度お話ししませんか?


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