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映画『荒野のコトブキ飛行隊 完全版』

YouTubeで無料公開していたのを一通り見たので、勢いで映画版も見てきた。折しも映画館がお披露目されたばかりのTOHOシネマズ立川立飛を選んだのは「轟音版」が気になって。YouTubeで見ていて飛行機の華麗で俊敏な動きと、プロペラ機の飛び立つ音が特に印象に残っていたのです。わたしは飛行機1回しか乗ったことないし、武器や軍隊にはあまり興味ないのだけど、プロペラ機が飛ぶことのロマンはうっすら分かる。

轟音は4DXとか体験したことのない身にはちょっとびっくり。音で座席が揺れるのに、鼓膜がつらいとかはない。聴力が低いわけではないのだけど、低気圧になったりストレスで精神的に疲労していたりすると難聴気味になるので、少し身構えて臨んだのに全くイヤな音がありませんでした。1箇所だけ突然爆発音がするところがあって、そこはビクッとしたけど、基本的には機銃での戦いなので突発的に大きな音がすることはなく、エンジン音が継続しているので耳が慣れていったのかもしれない。
ホラーとかただでさえ苦手なのに、轟音でやられたら途中で帰るかも、というくらいに迫力があります。

女性6人の凄腕パイロット集団「コトブキ飛行隊」がいろいろ仕事を引き受けていたら政治闘争に巻き込まれて、最初から最後まで飛行機で決着をつける話。基本的には水島監督と横手さん脚本なので、人が死なない爽やかな話なんだけど、資本家が弱者を食い物にする昔から今も続く政治批判でもある。ただ、そこで政治闘争の種になったとある現象を破壊することがはたして世界の幸せだったのかは、登場人物も疑問に思いつつ決行するのはちょっと謎。
映画版は基本的にテレビ版のダイジェストですが、出会った頃の話があるのは想像が膨らむので見て良かったと思います。が、主人公のキリエとエンマが幼馴染みとかの設定はもう少し描かれないとわたしの貧弱な想像力では補えなかった……。

ガルパンの時もそうだけど、弱いとされている戦車や飛行機で近代化された強い機種を倒すところにカタルシスがある。ガルパンの時は戦略がきちんと視聴者に伝わるような話づくりだったけど、コトブキは個人個人が皆すでに技術があって精鋭軍団になっているところから始まるから、戦闘ごとに成長するという設定ではない。そこがちょっとだけ、個人に入れ込む度合いが下がるかも。

キャラクターはみんなケチをつけるところがないくらい個性的でいい人。ラストの隊長と副隊長的、雇い主と女性議員それぞれの百合展開が熱いので、百合好きな人は見た方がいいと思います。

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