20240924:木内酒造のビールが好き
水戸芸術館で知人が出展したのを見た帰りに、木内酒造が屋台のような店でだいだいエールを販売していた。
当時はまだビールはなんとなくペールエールがおいしいかもくらいで、あまり区別がついていなかったのだけど、これははっきりと柑橘の苦さと爽やかさが鼻をついて「こんなおいしいビールがあったのか!」と驚いたことを覚えている。
聞くと水戸芸術館のすぐそばにある京成百貨店に蕎麦屋を出しているという。次の年に水戸に来たときに立ち寄ったら、上品な蕎麦とバリエーションのあるビールがよく合う。
ここの蕎麦には小鉢やサラダもついてきてすごくお得だった。
水戸に帰るたび、駅からは遠いけど絶対歩いて立ち寄っていた。
味もいいんだけど、落ち着いた照明やどっしりとした木のテーブル、大声で騒ぐような客には会ったことがない。個人的には最高のお店のひとつでした。
しかしコロナ禍で店舗は閉店。
代わりに駅前にハンバーガーショップやとんかつ屋が出店されています。
ハンバーガーの方しか入ったことないけど、まあおいしい。
おいしいんだけど、わたしはあの店の雰囲気が好きだった。
あの雰囲気では運営たいへんなのは分かるんだけど。このジレンマ。
この週末に初めて木内酒造のラガーを頼んでみた。
キリンやサッポロのような澄んで爽やかな味という先入観を打ち砕かれる、強い苦みとホップの香りが実にいい。ペールエールなどよりもおいしい苦みがダイレクトに伝わってくる。
何度も木内酒造のビール飲んできたつもりだったのに、こんなにおいしいビールを見逃していたというショックと、遅ればせながら最高のビールのひとつを見つけることができたという喜び。
酒飲んでると「どれもうまいなー」となって、修業なんておこがましいのだけど、久しぶりに目が覚めるような体験をした。