レベニューエンジニア・エンジニアリングという概念を流行らせたい
ここ数日、サーバサイドGTMをずっと学んでるんですが、この領域の情報が少なくだいぶ苦戦しました。周囲のマーケターに聞いても、FacebookのCAPIの実装は進んでいるが、サーバサイドGTMの話はあまり聞かないとのことでした。
もしかしたらこれを機会にCDP導入まで行ってるのかもしれませんね。あるいは、広告計測のみだったらアドエビスとかそっちだけ使うとか。
マーケティングツール難しい問題
さて、私はどちらかといえばエンジニアよりなんですが、過去広告代理店にも在籍していたので、一通りデジタル広告・サイト運用のオペレーションについては理解しているつもりです。
現在のデジタルマーケティング、ツールが高性能になるわ3rd Party Cookie問題がでるわで、そうとうITリテラシーがないと使いこなせないと感じるのは私だけでしょうか。
単体ツールのみだったら、ベンダーが教育プログラムを出しているので時間をかけて学べばいいのですが、多くの場合ツールを組み合わせて運用しますので、どうしても自動化やデータ連携の話がでてきます。(セキュリティも)
ただでさえなじみのない横文字が出てくる業界、オペレーションを担える人材が少ないという課題は丸井さんの書籍、MOpsでも書かれていました。
本書の中でもあるとり、マーケティングだけでなくセールスまで含めた、レベニューオペレーションを遂行するには、もはやエンジニアでないと難しいと考えています。
古くはグロースハックなどといわれたが
最近ではB2Bでセールス比重が高まったためかあんまり聞かなくなりましたが、アプリ内のオンボーディングを改善したり、課金導線やシェア推進を実装するような活動をグロースハックなどと呼んだことがありました。AARRRモデルが普及したころですね。
これら使い始めた後のプロダクトサイドももちろんそうなのですが、集客サイドというか使い始める前の領域においてもエンジニアリングが必要になってきています。例えば以下のようなケースです。
Google広告、Facebook広告、X広告の各レポートを統合して投資判断したい。毎日スプシにエクスポートしてLooker Studioでみたい。Slackにも流してほしい
うちのアプリケーションReactで作られてるんだけど、適切なタイミングでトラッキングイベントを送ってコンバージョンフローの改善がしたい
マーケティングツールや広告出向先が複数に分散すると、それぞれを追いかけるのが大変になります。統合してくれるSaaSはあるにはあるのですが、1社で契約するにはちょっと高かったり、またそれで管理画面が分散するのも使いにくかったり・・
後者のケースではWebアプリケーションが高度化したために、GTMのDomフックでなかなか数値が取れなかったり。
肝心なのはマーケターなり事業責任者や、営業活動にかかわる人たちが、日々の行動をどう変えればいいかがわかるようなものができればいいのですが、非エンジニアだけでは限界が来ていると考えます。
エンジニアは学べる機会が少ない
一方で、エンジニアは個人で新しい技術などいろいろ勉強することも多いと思いますが、これらマーケティング分野を学ぶのは非常に難しいです。なぜならこれらのツールを使うには商材や広告費が必要だからです。
そりゃそうです。サイトもないのにGoogeAnalyticsの勉強はできないですし、コンバージョンさせる何かがないのにコンバージョン設定はできません。むりくり個人ブログで作ったとしてもトラフィックが限られていては勉強しづらいのです。
かといって勉強のためにGoogle広告やFacebook広告を何万円もかけるのは馬鹿らしいですし、営業マンがいないのにセールスパイプラインの設定ができるわけもありません。
営業は営業の、マーケはマーケのドメイン知識がたくさんあります。ベンダーごとに「アカウント」や「クライアント」「取引」の汎用英単語の使い方も違います。これらは現役の営業やマーケターが隣にいないとなかなか学べないものです。
収益に関するエンジニアリング=レベニューエンジニアリング
かつて情シスよりも一歩すすんでエンジニアリングを前面に出した「コーポレートエンジニアリング」という概念が普及しました。
営業・マーケティング界隈にも、「ツールに強いマーケター」ではなくマーケツールのAPIを自在に操り収益向上に寄与するエンジニアリングが必要ではないでしょうか。私はこれらを「レベニューエンジニアリング」と呼びたいと思います。
そして、そのようなエンジニアには「生データ」が必要です。マーケツールの構築が難しくて困っている企業と、生データがなくて勉強の機会がないエンジニアをむずびつけるような場があれば、これらは良くなるのではないでしょうか。
そこで!(ここにCTAボタンが張られる)
と言いたいところですが、僕一人では何もできないですし、手も回らないので、近しいエンジニアやマーケターに声をかけはじめています。興味がある方はコメント欄か、ぜひXまでお声がけください。
Q&A
いただいた反応をいくつか
グロースハックとの違いをもう少し詳しく
グロースハックはtoCの文脈でメディアだったり、フリーミアムモデルからのセルフサインアップみたいなのがメインな気がします。一方、最近多いB2B SaaSなんかは、無料トライアルまでの活動も長く、契約は営業が担当したりします。そういう収益までの道のりの違いがひとつ
さらにエンジニアリングとつけてるので実装に特化したイメージです。グロースハックは企画も担うイメージ(ポップアップを出すときの画像や文言も)に対し、レベニューエンジニアリングだと、リード向けメルマガ文面やセグメント分けはマーケターにお任せするけど、そのセグメントに正しくユーザをアプリから同期して入れるように実装するところこをやるのがメイン。
RevOpsとはちがうん?
文中で紹介した本でも紹介されているRevOpsですが、個人的にはOpsとかいているもののterraformを書くとかエンジニアリング的なOpsではなく、どちらかというと外資界隈でいうオーケストレーションのほうが実態としては近いと思いました。そのため、あくまで適切なSaaSの設定・連携API・データクレンジング・ビジュアライズなどのエンジニアリングに特化したいという思いです。
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