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【メディア】脅かされる信教の自由 ―安倍元首相暗殺2年の日本―(23)

「一方に過熱」報道を危惧 “教団擁護”と炎上の太田光氏

「テレビは自民党議員と旧統一教会の繋がりの追及に躍起になっている。一方向に過熱するのはテレビの悪い癖だ、と私は思っている」

お笑いコンビ爆笑問題の太田光氏が2022年9月末、一冊の本を上梓した。『芸人人語 コロナ禍・ウクライナ・選挙特番大ひんしゅく編』。朝日新聞社が発行する文芸月刊誌「一冊の本」20年12月号から22年8月号までの連載を加筆・修正して掲載した、333ページもあり最近の本にしては厚みのある本だ。冒頭の言葉は8月初め、そのあとがきに書いた。

太田氏は政治や社会問題も話題にする日曜日朝の時事バラエティー「サンデー・ジャポン」(TBS)のMCを務める。テレビのワイドショーなどが世界平和統一家庭連合(家庭連合=旧統一教会)について「霊感商法」や高額献金問題を取り上げ批判一色となる中、「教え自体が間違っているとは誰も言えない」などと、他のコメンテーターとは一線を画す発言をたびたび行ってきた。しかし、他の出演者から即座に否定発言が出た。またSNS上では「擁護している」「テレビに出すな」とバッシングを受けた。

「私にとって大切なのは、政治でも宗教でもなく『テレビ』だ」と、テレビへの強い思い入れを持つ太田氏。だからこそ、安倍晋三元首相暗殺事件から1カ月余りしか経っていない時点でも、「一方に過熱する」テレビ報道ぶりに危惧を抱いたのだろう。

事件発生直後、山上徹也被告は犯行動機について「教団に恨みがあった」と警察に供述したとの報道が一斉に流れた。マスコミは、それが教団関連団体のイベントにビデオメッセージを送った安倍氏暗殺に繋がったとの前提で教団批判報道を繰り返した。

このマスコミの状況について太田氏はあとがきで「断片的に聞こえてくる供述だけをたよりに事件の全体像を決めつけて『政治と宗教』の話にしてしまっていいのか」と嘆いている。

https://www.worldtimes.co.jp/japan/20240902-184554/
(『世界日報』2024年9月2日付より)
※同紙の許可を得て転載

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