音楽と国境について考えてみた
グローバル化という言葉が世の中に広がって、どのくらいの年月が経ったであろうか。
世界/国単位から個人単位まで浸透してきた。
ハードウェア、コンテンツ、金融、医療、などの垣根を超えてきた。
そしてそれらの中心的役割を担ったのが、インターネットであることは間違いないことであろう。
そんなインターネットも誕生して普及して約20年近く経つ。
そんな中、今回は、音楽というコンテンツのグローバル化を、ユーザー(音楽を聞く側)視点で、音楽ストリーミングに焦点を当てて考えてみたいと思います。
【ポイント】
①音楽とインターネット
②音楽とストリーミングサービス
③音楽と国境
①音楽とインターネット
まず、音楽とインターネットの関係を振り返ってみたい。
インターネットが登場した時代、それは"音源ビジネスバブル"といえる時代で、CD全盛期の時代だった。その中で、インターネットが誕生しその勢力を広げていく中で、データのやり取りが誰でも簡単にできるようになっていった。無論、音源データの集合体のCDもその対象であり、過去にはNapsterのようにP2Pで音源データをやりとりする方法もあった。※違法です
そしてインターネットの躍進はまだまだ続き、大きな転換点ともいえる出来事が「iTunes」の登場だ。ハードウェアのiPodとコンテンツプラットフォームのiTunesは、インターネットが生み出した「怪物」ともいえるだろう。そして、その「怪物」に飲まれていったのが、音源ビジネス=CDである。
つまり、音源ビジネス=CDの凋落の要因のひとつに、インターネットが影響したことは言い過ぎかもしれないが、大きくは外れていないと言えるでしょう。
②音楽とストリーミングサービス
しかし、インターネットが音楽にもたらしたものは決してネガティブなことばかりではない。
それが、ここ最近、音楽ビジネスの回復の兆しともとらえられている、音楽ストリーミングサービスの存在だ。(特にサブスクリプションサービス)
アメリカにおいては既にCDといった音楽パッケージ市場を音楽ストリーミングサービスが上回るほどの成長を遂げている。(ここ日本では、アメリカから約5年ほど遅れをとっているといわれている。しかし、音楽ビジネスの回復に期待できる要因のひとつに変わりはない)
インターネットの台頭により、物理的な所有(本当に必要なものは除いて)という考えから、インターネット上での所有やシェアという考え方に変わってきているように感じる。つまり、インターネットにアクセスするだけで、ほとんどの体験ができてしまう世界になってきているといえる。
そして音楽も例外ではない。CDを購入して、オーディオコンポなどで再生していた時代と比べて、もはやCDはコレクションのひとつとなった。音楽を聞くことはスマートフォンなどで、インターネットからダウンロードした曲を聞いたり、インターネットにアクセスして曲を聞いたりする時代になった。
そんな時代に、音楽ストリーミングサービスは、インターネットの特性を上手く活用した存在だと言える。
③音楽と国境
このように音楽ストリーミングサービスに音楽の未来を感じたところで、もうひとつ、音楽ストリーミングならではの特性を考えてみたい。
それが、プレイリストという存在だ。
そもそもプレイリストとは、これまでシングルやアルバム(EP、LP含む)といった音楽の形態を変化させたものといえる(変化という単語だけでは表現しきれない、革新的な意味合いがあるものと個人的には感じます)。
そんなプレイリストには、ユーザーが作るもの(AWAの特徴のひとつ)、サービス運営側やアーティストが作るもの(SpotifyやApple Musicの特徴のひとつ)など様々。
このように多様性のあるプレイリストの存在により、冒頭のグローバル化につながる。世界中の音楽ユーザーが作ったプレイリストに、インターネットを経由して簡単にアクセスができることで、それぞれの国や文化、趣味嗜好などの特性を知ることができるのだ。それはまさしく、音楽が国境を越えて、人と人とをつなぐ存在であるかのうようだ。
この音楽プレイリストは今後、文化になると個人的には思っています。それほど、パワーのある存在だと、そしてそれが音楽の未来を明るく照らしてくる存在だと、そんな期待を抱いています。
最後に、音楽と国境について考えてみた結果、改めて音楽の持つパワーの大きさを感じることができた。インターネットの台頭により、国と国、人と人が近くなってきた中で、音楽というものはその距離をさらに縮めてくれる存在なような気がします。
音楽の未来は明るい
※今回書いた内容に関しては、あくまでも自身が音楽を聞く側として考えて書いたもので、音楽を作る側からしたら、音楽を軽視しているように感じるかもしれません。もし、そう捉えられたら、すみません。ただ、一切そのように音楽を軽視はしていなく、音楽の未来を豊かにするという気持ちで書いたことを、末尾に記させていただきます。