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ラッパーはコンテンツマーケティングの天才である。【アークのブログ・アーカイブ】

この方のお名前は、マチーデフさん。今回はこのラッパーさんのお話。

近頃、コンテンツマーケティング界隈(←「界隈」初使用!)に足先ちょこっと触らせていただいて、ありがたいことにお仕事をいただいております。

出版業界の片隅に40年ほど、編集者およびライターとして生息。これがホントの「すみっコぐらし」です。

業界が違うと、もう知らないことだらけなワケです(実は編集者になる以前の1981年頃に、「宣伝会議のコピーライター養成講座」には通ったことがありますが昔すぎて…)。
そうはいっても興味のある新しいことは好きなので、マーケティング用語は日々勉強中。

そんななかで、最近ふと、「ラッパーのマチーデフさんって、マジですごいコンテンツづくりの名人じゃね?」と思ったのです(←急にちょっとチャラい)。

マチーデフさんの一番最近のメジャーなお仕事といえばコレです。

このCM「宝くじ社会貢献 2024「アンセム」篇 被災地支援 30秒」でマイクを持った駅員さんを演じているのがマチーデフさん。

実は、2017年初め頃にアークのブログでインタビュー取材をしたことがあるのです。公開したのは2017年3月8日。

これを読んでいただくと、マチーデフさんがどんなお仕事をされて、どのような活躍をされている人かわかると思います。

まずは、読んでみてくださいね。

世間一般から見たラッパーのイメージって、「こわい」「ヤバイ」か「チャラい」だと思うんです。以前は私もそう思ってました。深夜のテレビで見たことある、すごい形相で相手をディスり合うラップバトルから、ケンカばっかしてそうなイメージがあります。「悪そなヤツはだいたい友だち」とか…(笑)。ヤンキーとほぼ同じイメージかも。

でも、名刺交換から始まる「社会人ラップバトル」はサラリーマンがやってるので、「そのギャップが面白い」と、急にイメージ変わったり。世間のイメージなんてそんないい加減なもんです。

ところが、記事を読んでもらうとわかるように、マチーデフさんはちゃんと企画書も作れるビジネスマンだし、講師もできるラッパーなのです。
世間のイメージに合わせるためにも派手な出で立ちはしていますが、真面目な好青年(←営業妨害?)ですし。

あなたも見たこと・聴いたことあるハズ!

そこで本題です。

ラップというのは、リズムに乗せて、歌詞の中に「伝えたい情報」を詰め込めるワケです。

この「伝えたい情報」は、商品の特徴だったり、企業のイメージだったり、移住してきてほしい地域の住みよいところだったり……歌詞にPRポイントを入れ込めるのです。

「伝えたい情報」は、リズムに乗っているから頭にも入ってきやすい。

そして、「韻を踏む」ことも多々あるので、ますます楽しく、おぼえやすい。

その昔、いとうせいこうさんがラップを初めてやり出された頃、「日本語とラップって相性が良くないんじゃないの?」なんて勝手なこと思ってましたが、訂正します。

いとうせいこうさん、ごめんなさい。

ラップはめちゃくちゃ日本語にも合いますね。

まぁ、それはいとうせいこうさんや数々の日本人ラッパーによっての努力があってこそなんだと思います。怖いとかチャラいとか言って申し訳ないっす。

ラップは、情報を伝える手段としては、かなり確実で訴求効果が高いのです!

「そんなのとっくにわかってたよ」という方々が、マチーデフさんをCMに起用したり、彼のラップ指導でCMを作ったりしているのだと思います。

マチーデフさんラップ指導のCM「トヨタ ノア ドラえもん 2016」

コピーライティングだけではなく、コンテンツづくりのプロでもあると考えます。
地方自治体に依頼されて、その県や市の良いところをラップの歌詞にして、歌唱指導することも多いようです。

そんな彼の一番の大仕事は「立石ラップのど自慢」

せんべろで知られる「呑んべ横丁」が消え、再開発されて、ちょっぴり寂しくなっていく下町。そんな立石を盛り上げるために毎年9月に開催される「立石フェスタ」の中のプログラムが「立石ラップのど自慢」です。マチーデフさんが奔走して企画から作り上げたコンテンツなのです。

立石の子どもからお年寄りまで、好きなラップ歌詞を作り、大会当日までに指導してもらい、練習し、みんなの前でラップする。立石のアーケード商店街が会場です。これが毎年恒例の名物企画になっています。

やっぱり、みんな「伝えたいことがある」のです。
そして、「どのように伝えるか」なのです。

ラッパーはパフォーマーではありますが、ラップを作る部分はクリエイターです。

そして、イベントやコンテンツを作り上げる様子を見ているとコンテンツマーケティングに通じるところが大いにあるなぁと感じましたね。

マチーデフさんは専門学校などでラップ講師もしています。多分、彼にラップを教わった若者たちがすでに社会に出てきています。

マーケティングの業界でも出版業界でも、どこの業界でもラップ力を活かしてほしいと期待しています。

最後に。これをもし読んでくれているラッパーの方がいらしたら、ぜひ「コンテンツマーケティング」の界隈に足を踏み入れてみてください。
あなた方の活躍の場はもっともっと広がるかもしれません。

●文・編集=魚住陽向フリー編集者小説家
●撮影=大山勇一


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