魚住 陽向 = 東京キャスケット舎

コンテンツ制作。フリー編集者。野良な小説家・文筆家。「マンガ原画展ツーリズム」●長編小…

魚住 陽向 = 東京キャスケット舎

コンテンツ制作。フリー編集者。野良な小説家・文筆家。「マンガ原画展ツーリズム」●長編小説『天然オヤジ記念物 江戸前不始末』→ http://amzn.to/12wb0G2 ●公式サイト☞ https://uozumi3.wixsite.com/hinata-site

マガジン

  • [アークのブログ]アーカイブ

    2015年3月からアーク・コミュニケーションズさんのオウンドメディア[アークのブログ]を制作しています。130本もあると以前の記事は埋もれてしまうので許可をいただき、アーカイブで再紹介します。

  • キャキャキャ ジャーナル

    コンテンツ is King!「面白そう」「知りたい!」好奇心のアンテナが立って、紹介したくなったらお仕事カンケーなく記事にして公開しちゃいます。それが[キャキャキャジャーナル]なのです!

  • マンガ原画展ツーリズム

    あの頃大好きだったマンガ(原画展)を求めて旅をする「マンガ原画展ツーリズム」。自分で提唱しましたが、これからどんな展開をしていくのか楽しみでもあります。誰かのマンガ原画展ツーリズムを取材したり、紹介したり。実際にマンガ原画展もしていきたいと考えています。

  • 魚住おすすめ堂♪ 帖民店

    魚住オススメの「本」「食」「音楽」などのセレクトショップみたいなマガジン。楽しそう、美味しそう、面白そうを共有したいな♪

  • 散文プラント

    エッセイやらコラムやらテキストノートで公開したものを入れるトコ。他のもいろいろ入れるかもねかもねそうかもね〜♪

最近の記事

ラッパーはコンテンツマーケティングの天才である。【アークのブログ・アーカイブ】

この方のお名前は、マチーデフさん。今回はこのラッパーさんのお話。 近頃、コンテンツマーケティング界隈(←「界隈」初使用!)に足先ちょこっと触らせていただいて、ありがたいことにお仕事をいただいております。 出版業界の片隅に40年ほど、編集者およびライターとして生息。これがホントの「すみっコぐらし」です。 業界が違うと、もう知らないことだらけなワケです(実は編集者になる以前の1981年頃に、「宣伝会議のコピーライター養成講座」には通ったことがありますが昔すぎて…)。 そうは

    • 「note創作大賞」受賞作発表!『「マンガ原画展ツーリズム」宣言! 〜推し活とも聖地巡礼とも違う「あの頃へ旅する」コト!〜』は選ばれませんでした。 でも、スキ♡付けてくださった皆さん、感謝します!来年にはマンガ原画展ツーリズムをプロデュースしようと具体的に考えています。乞うご期待

      • [アートウィーク東京2024]のお知らせ&【アークのブログ・アーカイブ】

        いらっしゃいませ。「アークのブログ」アーカイブへようこそ! こちらは、制作会社であるアーク・コミュニケーションズのオウンドメディア「アークのブログ」の格納庫です。 元々、「アークのブログ」は社内ブログでしたが、2015年3月よりオウンドメディアとしてリニューアル。現在では、現場の制作は魚住がほぼワンオペでやらせていただいております(魚住の提出企画に部長がOKくれたら、魚住が取材・編集・執筆・撮影・画像レタッチ・Wordpressコーディング・公開・運営)。 来年2025年

        • ラジオ界の巨匠・藤井青銅のいろんな横顔【お知らせ】

          トボけたおじさんだ。 誰って、放送作家の藤井青銅氏のことである。 ついでに説明的に並べると、脚本家で、小説家で、作詞家で、「一般財団法人 日本パイ文化財団」の理事でもある。『ゆるパイ図鑑』なる本も出している。 実に怪しいおじさんだ。 ラジオ番組の構成などで有名だが、最近では『トークの教室』『一芸を究めない』『[日本の伝統]の正体』『国会話法の正体』『一千一ギガ物語』『元号って何だ?』『幸せな裏方』『ラジオな日々』などなど著書も刊行されている。まだの人!どれかは読みなさい。

        ラッパーはコンテンツマーケティングの天才である。【アークのブログ・アーカイブ】

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        • [アークのブログ]アーカイブ
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        • マンガ原画展ツーリズム
          1本
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          50本
        • キュレーター魂
          15本
        • 散文プラント
          23本

        記事

          「マンガ原画展ツーリズム」宣言! 〜推し活とも聖地巡礼とも違う「あの頃へ旅する」コト!〜

          ■「ニュー・ツーリズム」の中の「コンテンツ・ツーリズム」 「ニュー・ツーリズム」という観光用語があります。 従来の旅行とは異なり旅行先での人や自然との触れ合いが重要視された新しいタイプの旅行ということですが、「ニュー・ツーリズム」も細分化され「スポーツ・ツーリズム」「コンテンツ・ツーリズム」などの言葉もよく聞くようになりました。 「スポーツ・ツーリズム」とは、スポーツを観戦しに行くための旅行およびそれに伴う周辺観光やスポーツを支える人々との交流などスポーツに関わる様々な

          「マンガ原画展ツーリズム」宣言! 〜推し活とも聖地巡礼とも違う「あの頃へ旅する」コト!〜

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第16棚

          第16棚・閉店時間「本の下僕(しもべ)」 ブックスあだち無双店を辞めてから3カ月ほど経っていた。 リストラといっても円満退社のつもりでいたので、何の遠慮もなく、通い慣れた書店に本を買いに行く。そう、今日はブックスあだち無双店のお客さんなのだ。何も臆することなく、お客さんなのだ。 駅ビルのエレベーターを上がって、レジカウンターに向かう。 相変わらず、忙しく真面目に働いている書店員たちの姿。今日のレジカウンターはメガネ先輩とツン先輩だ。何だか懐かしく思える。たった3カ月しか経って

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第16棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第15棚

          第15棚「店長の苦悩 〜別れは突然やって来る」 ——もっとシフトを増やしてほしい。 ブックスあだち無双店の仕事がわかってきて、おもしろく感じてきた頃のこと。こう思って、オタク店長に言ってしまったことが引き金となってしまう。 突然の別れはこうして訪れた。 ブックスあだち無双店の店長は当時30歳代半ば。 本人は否定していたが、マンガ好きは隠し通せるはずがない。社割(1割引き)で購入する大量のコミックスとラノベが物語っていた。 「大学卒業後はマンガ誌の編集者になりたかった」 出版

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第15棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第14棚

          第14棚「異常者・くじ男」 ——私は空気が読めない。 引っ込み思案で無口で空想ばかりしていた幼い頃はいじめられっ子で、友達は本だけ。しかし、「このままではダメだ」と節目節目で頑張って自分改革を行ってきた。頑張って喋りかける。友達をつくる。聞いてもらえるような楽しい話し方を工夫する。 だが、それはすべて付け焼き刃。根っこにある性格はそうそう変わらない。 気がつくと、不安定な明るさとバランスの悪いお喋り、そして元々の自信のなさが変な歪みを作り出す。 そして、読めていたと思っていた

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第14棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第13棚

          第13棚「アナログ万引き 〜情報はタダじゃない!」 携帯電話が普及し、スマホが主流となっている現代社会の日常で「デジタル万引き」という言葉を一度ぐらいは耳にしたことがあるだろうか。 書店員になる以前には、本屋さんの店先で、その現場を目撃したことがある。求人情報誌を手に取り、自分の興味のある求人情報だけを得るために写メを撮る男性会社員の姿。近年は求人情報誌はフリーペーパーが主流で、インターネットでも無料で求人情報を見ることができる。 しかし、デジタル万引きを目撃した頃というのは

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第13棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第12棚

          第12棚「トラブルメーカーは私じゃない!」 昔から、おかしな人間に会いやすい。それは見ず知らずの人間だ。 細い路地を歩いていて、向こうから下半身を露出しながら歩いてくる変質者とか、電車の中で大声を上げる不審者とか……。他に大勢いるのに、まるで磁石でもあるかのように寄ってくるのだ。 友人は「あんたが呼んでるんじゃない?」と笑うがもちろん、そんなつもりは毛頭ない。無意識にそんなオーラが出ているのか。出ているのなら危険だ。 おかしな人間だけでなく、嫌なことを言われやすいというのはど

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第12棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第11棚

          第11棚「刃物を持ったお客様」 「だから、魚住さん。怪しい客がいても自分で声をかけたり、追いかけたりしないでください。危険ですからね」 「店長! 私は声もかけてないし、追いかけてもないんですよ!」 オタク店長にまたまた注意されてしまったが、そもそも私は何もしていない。 店内巡回していて、書棚の角を曲がったら、立ち読みしていた男子中学生と目が合い、その途端、彼はものすごい勢いで逃げ出したのである。驚いた私は、オタク店長に声をかけた。身体の大きな男子中学生は店長がいるレジカウンタ

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第11棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第10棚

          第10棚「足立区にモンスター現る!」 ——もし、マンガがなかったら、今、自分はここにはいないだろうなぁ。 ぼんやりと考えることがある。 『キャプテン翼』の「ボールはともだち」ではないが「マンガはともだち」だ。そして、マンガは先生でもある。 幼い頃、身体が弱かった私は3日にあげず熱を出し、母に背負われ医者へ連れて行かれていた。その帰りに本屋に寄って、絵本を買ってもらった。買ってもらう本は、絵本からマンガになった。「小学一年生」などの学年雑誌。『バレリーナの星』『かあさん星』など

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第10棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第9棚

          第9棚「幸せと地獄を売る店」 「おはようございまーす」 団地の1階の長谷川さんが声をかけてくれる。長谷川さんは夜勤をしている夫、子ども2人(成人して最近、実家を出た)、それから年老いた母親とともに1階の2部屋を借りて暮らしている主婦である。この団地ができて、ちょっと経った昭和50年代から住んでいて、独立行政法人が団地のオーナーになる前からの古参組。私とは同世代ということもあるが、会えば挨拶して、ついつい立ち話になる。 「こないだはありがとね」 「いえいえ、一人だと食べきれない

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第9棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第8棚

          第8棚・休憩時間「パブロフの接客」 何度も言うが、私は声がデカい。 自分では意識していないが、腹から声が出ているし、声も通る。 広いブックスあだち無双店で、客がどの入口から入店してきても目に入ったら「いらっしゃいませー!」と腹式での声がけは欠かさない。 出勤すると行う挨拶の発声練習の成果が出ていると思われた。やはり急には声はなかなか出ないものだ。非常時に備えて「助けてー!」と叫ぶ練習は必要なんだなと独りごちる。 接客の挨拶の中でもよく言っていたのが「ありがとうございました」と

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第8棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第7棚

          第7棚「ヤンキーの箱船」 ——ねぇ……なんかマンガ持ってない? 授業中にこっそりと後ろの席のヤンキー女子が話しかけてきた。 私が通っていた県立高校は普通科と職業科がいくつかあり、職業科の生徒は入学するとどんどんヤンキー化していく。当時、設計計測科という学科に在籍していた。授業内容はほぼ機械科。女子クラス35名ほどで半分はヤンキーぽい。卒業すると、9割が地元の工場に就職する。 いや、正確にいうと当時ヤンキーとは呼んでいなかった。 「ツッパリ」もしくは「スケバン」だ。今で言うと、

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第7棚

          『ヤンキー多発地帯・足立区のたたかう書店員』第6棚

          第6棚「表紙を捨てろ?」 「いらっしゃいませ」 「かしこまりました」 「少々お待ちくださいませ」 「申し訳ございません」 「ありがとうございました」 今朝も出勤して、エプロンを付けたら「五つの挨拶」の復唱を元気に行う。 接客業のアルバイト経験がある人だったらよくご存じの「五つの挨拶」だ。 本来、集団行動が嫌いで、あまのじゃくな性格の私なので、こういった毎朝恒例の「上から強制的に言わされてる感」「訓練感」満載の行動は「ケッ」と吐き捨てて絶対にやらない。20代の頃は確かに拒否して

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