フェミニスト1年目の誓い

「女の子なんだから少しは配膳を手伝いなさい」と言われて育った。

今は仕事とのバランスが取れないため、自炊は全くしていない。

「男の俺でも自炊してるよ?」

その言葉の裏には''私は女では無い''という意味が隠されていますか?


小学生の頃短いスカートを履いていたら、ジャニーズ顔でイケメンだと有名だった友達に「エロいね」と言われた。

そうやって性的に見られる事が良い事なのだと思っていた私は少し嬉しくなった。

23歳になった今、それを思い出しながらようやく何もかもが間違っていたのだと気付いたけれど、あの時の私にごめんねを言ってももう届かない。

そんな事を考えていたら、短いスカートと胸元の開いた服はもう着れなくなってしまった。


冗談紛れに数学の先生から私だけ下の名前で呼ばれ続けた。

明らかに距離が近いけれど、彼には私と同い年の娘がいる。単なるおふざけでしょう。

''私だけ可愛がられて特別だ''なんて思えば何の違和感も無かった。

そんな待遇を受けなくても私があなたを愛しているよ、と抱きしめたくてももう遅かった。


「女なんだから大学へ行かなくてもいい」と言われ受けられなかった大学があった。

けれど、大学で学んだ事は私の羽となり溺れる私をいつも助けてくれた。


飲み会の席ではサラダを取り分ける事が女子力だともてはやされた。

これはあなたが食べるサラダでは無いの?


酔った友達に胸のサイズを聞かれた。ここまできても尚、私は性的に見られる事に時に安堵してしまう。

''まだ女としての価値があるんだな''なんて思いながら胸を撫で下ろす。

そんな私を見るもうひとりの私は、声を殺して泣いていた。


物を落として少し高い声を出しただけで「喘いでるの?」と言われた。


もうそろそろいいでしょう。


歳上の男性の誕生日をお祝いする席でひとりケーキを12等分する間、私は自分がフェミニストなのだと実感した。


どうしてこうも女性として生きる事は難しいんだろう。


私の中の女性性だけがえぐられ机の上に雑に置かれるその様を、私はただ黙って笑いながら見る事しか出来ない。


もうこんな茶番は全て終わりにしよう。


私は私と大切な人を正しく守る為に、今年はフェミニズムを勉強する年にすると誓います。

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