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秋口のコンシェルジュ#14 まっさらと焦げ


 オーブントースターが僕の家には無い。幅をとるからいい置き場がないという理由。

 そんな訳でフライパンでわざわざ焼くのだが、両面焼こうとするとひっくり返して間もないうちにIHが切れてしまう。温度が高くなり過ぎた時のセーフティ。

 こうしてうちで焼くトーストは大抵片面がそれなりに白い。

 今朝もそんなトーストを焼きながら何を書こうかなと思っていたらば、なんだかこれだけ表裏ではっきり違うものってあんまりないなとフッと浮かんだ。

 硬貨もそれぞれの面で違う、麻雀牌も違う。
 ただこれは自分らで描いてやった違いなわけで、トーストのはランダム的に出来たシミみたいな焦げが両面の性質を決めているように見えた。

 人間もそんなもんだ。作ろうと思って表裏ができるわけじゃ無い。たまたま出来ていく。焼かれたり焼かれなかったり、的な。バターを塗ってやることもある。

 いい塩梅の焦げがつくといいんだけどなー。

 

  

 

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