🌻パチと生活🌻#0 お迎えの決断までの葛藤と長さといったら……。

　
　ペットを飼いたいと思うときってどんなときだろう。
　
　何か嫌なことがあって寂しさを紛らわしたい。
　見てて癒されるから。
　何かを育てるのが好きだから。
　成長が見たい。

　色んな理由があるのかもしれない。

　僕はこの中で言えば癒されるからだった。
　　
　しかし、これだけが動機だと正直YouTubeで動物を見てるくらいが丁度いいかなという気もしていた。というか、むしろ飼いたくなかった。

　理由は少し前までペットを飼っていたことが関わっている。

　実家で犬を飼っていて、2年前に亡くなってしまった。
　ハチという名前だったのだが、僕が大学院を出て就職し、一人暮らしを始めることが決まったと同時に亡くなった。老衰だ。

　ペットでは無く家族という印象が近く、所謂「遊んであげる」とか「可愛がってやる」なんてもんではなく、小さい頃から共に一緒に成長したのだ。
　変な話、喧嘩みたいなことをして仲直りまでちゃんとするのだ。不思議。

　そんな弟みたいな彼が旅立って、寂しいとかそういうものを超えて何かぽっかり――身内が亡くなったときの悲しいとも寂しいとも簡単に表現したくないあの感覚。いちいちその感覚をもう味わいたくない。そんな感じだった。

　亡くなってすぐ飼う人もいる。というか大多数。あんまりよく分からなかった。

　それが好きなのに飼いたくない理由だった。

　しかし、どうもやっぱり一人暮らしは寂しい――っていうのはなんか違くて。単純に言えばそうなんだけどそう言いたくない。だって楽しいことには楽しいから。

　ただ、静かなんだよな、と。
　ハチが居た頃は空気みたいに暖かさがあった。

　そんな調子で様々な動物の動画や記事を見ていると、猫や犬は飼えるほど部屋は大きくないしな…ハムスターなら場所確保できそうだな…とかそんなマインドが育ち始めていた。

　そして一人暮らしを始めて今年で三年目の冬。
　遂にペットショップへ。

　非常に可愛らしいハムスターがしっかり並んでいた。

　実は小学生の頃、薄っすらと飼ったことがあり、半年少しくらいで亡くなってしまった……きっとうまく飼えてなかったのだろう。

　しかも当時のペットショップは今より問屋状態というか、管理があまり行き届いていなかった。決して昔の人達を責めるつもりはない。当時はそこまで繊細な生き物という認識が今ほど無かったのだろう。
　徐々に生き物を大切に扱う風潮が高まった結果が現在だと思うので、いいことだと思う。

　そんなこんなでケースの中のハムスターたちは……昼間なので寝ているものが多かったけれどリラックスしていた。

　それを動画などでは味わえない距離で眺める僕。

　……やっぱり無理かも。

　そう思ってしまった。

　またも、色んなことを考えた。

　まず、多頭飼いされているハムスターは兄弟みたいに身を寄せている。
　飼われて大事にされるのが一番幸せなこととは聞いていたが、自分が引き離す要因になる勇気が無い……。

　それから一番の理由は死なせてしまうかも。これに尽きる。

　その体の小ささとマイペースさからストレスを与えて寿命が縮まっていったらと思うと震えが止まらない感じだ。

　それで結局犬猫のところに寄って、値段たけーみたいな感想。
　手が届かなかったから飼いませんでしたよ～みたいな謎のプライドの看板を引っ提げ帰宅。

　これを４、5回は繰り返した。

　気付けば夏。
　
　夏はお迎えするには最悪。

　小動物に癒しを求めて自分都合に付き合わせるのは……なんて思って。
　でもやっぱり人は苦手だ。
　ハチのように寄り添ってくれる動物が飼いたくなってしまった。

　そして秋、先日20240928。

　僕は8月に生まれたばかりのゴールデンハムスターを遂にお迎えしたのだった。――8月だから。ハチのおもかげも含めてパチと名付けた。
　

家まで車で移動中の様子

　そんなこんなで今回は飼うに至った経緯まで。

　次回は飼うまでのやり取りや、ちゃんと飼育するには……についての話をしたいと思う。

　それではまた。