【AOE2DE】World Desert Championship 2 大会概要
AOE2DEの変則チーム戦大会、World Desert Championship 2の紹介記事です。予選: 8/19~9/1、本戦: 9/5~9/29。
大会概要をリンクを貼っていなかった事に終わってから気づきました。
World Desert Championship 2 - Liquipedia Age of Empires Wiki
大会概要
Lord_Patitoらの主催によるS-Tierトーナメントで、2021年5月開催の前回大会以来の登場。砂漠にちなんだマッププールに特色あり。基本3人1チームでの参加ですが、途中で各チーム1人ずつ出しての3番勝負が入ります(2本先取。Bo5なら2戦目、Bo7なら3戦目だと思っていたが、初戦に変更された)。
本戦トーナメントの仕様
2024/9/6加筆。
まずは本戦進出を決めた16チームがBo5(3本先取)で本戦トーナメントを争い、ベスト4が最終プレーオフに進出。この本戦トーナメントは敗者復活形式になっており、Lower Bracketからさらに4チーム追加。合計8チームで最終決戦となります。
最終プレーオフは準々決勝のみBo5、準決勝&決勝はBo7で争われます。
日本チームかく戦えり
なお今大会では日本チームも参戦、活躍が期待されましたが、残念ながら予選初戦で敗退。
マップ紹介
今大会初出のものも多い。どのマップも、チーム戦と個人戦の両方で登場可能性があるもよう。マップはMOD一覧から「map pack」で検索すれば、日付順ソートで一番上に出てきます。ここで取り上げた13個の他に、本戦ではマップデザインコンテストの優秀作品4つが追加されるとのこと。
追記: こちらの配信で(記事未完成時点にも関わらず)取り上げていただきました。配信17分過ぎ~と合わせてご覧ください。
Amargosa/アマルゴーサ
初出。米国ネバダ州~カリフォルニア州にかけて流れるアマルゴーサ川から。名前は「苦い水」を意味するスペイン語に由来。水は砂漠に染み込んで消えてしまうのだとか。谷あいを流れる水路でマップ全体がつながっているため、小魚や海戦要素が重要になる。動物資源は普通だが、果実が存在しない。初期TCが窪地に生成するため、攻め込まれて遠投で打ち込まれると苦しい。
Andalucia/アンダルシア
スペイン南部アンダルシア地方由来。チェックメイト(Regicide)方式。塔がない小ぶりの「要塞」みたいな自陣の初期城に王が駐留しており、このユニットが倒されると敗北。中央のモニュメントの争奪戦も見どころの一つかと思いきや、微量の資源が得られるだけ。オマケのように置かれている聖なる箱のほうが旨味が大きいくらい。
Arctic Circle/北極圏
前回初出。氷で閉ざされたドーナツ状の島でイノシシや果実がないが、内外の凍結湖には魚が豊富なので進化には困らない。ただし港が建てられるのは、ペンギン(画像参照)のいる岩場のみ。陸地の幅が狭いため、意外に早く決着が付くことも。
Danakil/ダナキル
前回初出。エチオピア北東部のダナキル砂漠がモチーフ。「丘の砦」に似た強化杭柵の囲いに多数の門がついている。開始時に畑4枚があるほか、中央の密林には象と無害な猿(スモークモンキー)、辺縁部の金鉱や石切場にはガゼルや狼、ユキヒョウなどが点在。資源が偏っているのでどこを押さえられても即詰みがありうる。
Fugo Marra/マラ山脈
初出。Fugoはスーダン西部、ダルフールで話されているフル語で「山脈」を意味する。前回大会で使用されたMount Bromoのアレンジだという。森で囲まれた中央の丘に鹿と象が多数生成し、マップ外周にTCが生成するが周囲はまばらに崖がある程度で非常に守りにくい。各プレイヤーは農民6人、斥候とラクダ斥候兵をもってスタートするので、斥候3ラクダ斥候3を集めて一箇所を襲撃する、などという奇策も成立しそう。
Lençóis Maranhenses/レンソイス・マラニャンセス
RMS Series 1(2022年)初出。ブラジル北東部マラニョン州の地形。シーツ(Lençóis)のように白い砂丘が広がっていることから。大草原/Steppeのように1箇所にまとまって生成した農民7人が初期TCを建てるところから始まる。他に、南方の水場に漁船が2隻ずつ生成。中央の細い川(浅瀬)を舞台に領主から激しい海戦になる。各陣営の南部に1箇所ずつの巨大な森があり、更にマップ北部の森には多数のイノシシも生成する(ジャガーは削除された模様)。序盤にプロによるイノシシ多頭引きなんかが見られるかも?
Nile Valley/ナイル峡谷
畑が最初から初期TC周りに4枚、中央のナイル川沿いに3枚ずつ生成。斥候のかわりに馬と司祭(≒聖職者)が1体ずつ与えられる。ナイル川上流(マップ左下方向)には象が多数いる他、野生のシマウマもいるがライオンが勝手に食い殺してしまう。TC周辺や上流部は樹木1本あたり400~425の木材が取れるとはいえ森がほとんどない。河岸の葦や下流のヤシの木も焼け石に水。互いに交易が確立していれば無限に対峙が続いてしまうことも。ポルトガルのフェイトリアやブルゴーニュのチームボーナスが強力かもしれない。
Pag/パグ島
前回大会初出だが、他大会でも頻繁に登場。クロアチア沿岸にある細長い島がモチーフ。狭い陸地に青/前衛‐緑‐水色/後衛 vs 赤/前衛‐黄色‐紫/後衛の配置で固定。ポジションにより役割がはっきりしており、ときには前衛が暗黒~領主で完全死亡することも。とにかく陸地が狭いため、率先して東側の本土で内政を展開する気遣いが欠かせない。
西側の島(金や石、聖なる箱)へ渡るには輸送船が必要だが、東側の本土(森と鹿、若干の石)へはマップ後方の浅瀬で渡渉可能。この浅瀬は建造不可地形であるため交易路としても優秀。しかしそれも制海権が確保できている間だけのことなのだった。
Pamir Mountains/パミール高原
前回初出。タジキスタン、アフガニスタン、中国などにまたがる平均標高5000メートルに達する高原がモチーフで、農民6人+馬スタートの遊牧マップ。開始時の木所持量が200(フンは100)と少ないため、まず伐採所を建てねばならない。ラバ車文明(アルメニア、ジョージア)やケルトの他、日本が若干有利かも。TCを建てるための木を集める間に、どこに拠点を設けるかを相談できる。なお、森は高地にしかなく、斜面側からはTCをベタ付けできない。
なお、AIはこのマップでは稀にバグるようだ。
Spiny Forests/スパイニーフォレスト
Alchemy League Season 1(2024年1月)で初出。マダガスカル南部の「トゲの森」がモチーフ。とはいえLiquipediaの情報とはだいぶ違った仕様に変更されている。
各プレイヤーは2グループのユニット群で生成する;
・農民3人、司祭(騎乗した聖職者で短射程での回復のみ可能、転向能力なし)、トリスタン(象の形をした斥候で攻撃不可)、ラバ車、折りたたまれた町の中心
・農民6人、ラバ車、折りたたまれた町の中心
ラバ車は内政テク研究不可(アルメニア、ジョージアを除く)。「折りたたまれた町の中心」は最近カスタムキャンペーン系でよく見かける他、AOE4のモンゴル文明を連想させる。このマップでも開始時の木が200しかなく、2つあるラバ車で伐採して初期TCを建てる資源を溜めるところからのスタート。ただしTCは暗黒で3つまで建てられる。ラクダを鹿同様に狩る事が可能。文明特性にもよるが石100掘っていきなり3TCを目指すか、2TC、1TCで素早く進化するかによって作戦が大きく分岐する。シチリアやブルガリア、ブリトンなどは序盤で強みが出せるかもしれない。
Tarim Basin/タリム盆地
初出。中央アジアにある内陸盆地、いわゆるタクラマカン砂漠がモチーフ。中央の浅瀬に沿って、東西に敵味方が配置される。青や赤を受け持ったプレイヤーは即座に2vs1の戦いになることを覚悟せねばならない。更に農民8人スタートのためスピーディな展開が予想される。南北の城塞?の中には金鉱と民族の象徴があるが、この石壁を破壊して資源の入手が必要になるほども膠着する展開になるかどうか。
なお、石壁は農民パンチ不可(アンダルシアと同様)。
Thar Desert/タール砂漠
前回初出。印パ国境にある、別名"大インド砂漠"がモチーフ。中央のU字型の土地にチームごと3国のTCが近接して生成。農民3人スタートで野生動物もアラビア並みだが、木を伐るために前に出ねばならないため不注意だと農民が狩られて即死する。さらに、後方の途切れ途切れにみえる水路が曲者。
初期TC群の背後の泥地はマップ右上端まで航行可能となっており、無防備だと軍船を送り込まれて内政や交易が大ダメージを受けることも。陸だけで勝てばよいわけではない、トリッキーなマップ。
Umm al Samim/ウンム・サミーム
前回初出。サウジアラビア南部にあるルブアルハリ砂漠の東部、ウンム・サミームは現地語で「毒の母」の意味。かつて涸れ川の流れ込む湖だったが、現在では含塩低地となっているのだとか。
農民3人スタートの遊牧マップで、他にラバ車と探索用のラクダが所与。羊が約10匹とアイベックスの群れがいる他、ここでも野生のラクダから鹿と同様に肉が取れる。森が無いため(比喩抜き。画像2枚目参照)、数あるマップの中で最も守りにくい。マップ周縁部には8箇所にガイアの「襲撃隊」がおり、資源や聖なる箱を守っている。強さは領主~城主の鉄工テク抜きといったところだが、農民や交易馬車が不用意に近づくとやられる。
以上13マップのご紹介でした。マップを眺めているだけでも楽しくなってくるが、プレイヤーは苦労しますね。筆者はこの記事を書くために各マップをAIデモプレイまたは自分で動かしてみましたが、見落としや抜けがあるかもしれません。お気軽にご指摘くだされば幸いです。
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