winより happy
「win-winでいきましょう」という言葉がある。「お互いの利益になるように」、だろう。ビジネスの場で使われるイメージが強い。わたし自身は、言われたことも言ったこともほとんどないのだけれど。
取材から取材への移動中に、「win-winを目指しているわけではないなあ」と唐突に思った。
わたしがしている取材は、ジャーナリズム的なものではない。「こんなところがあるよ」「こんな人がいるよ」という、「ねえねえ、聞いて聞いて!」というようなものだ。
もちろん、記事を読んでもらえたらうれしいし、取材先がお店であれば、記事をきっかけにお客さんが訪れてくれたらいいなあと思う。
これも「win-win」のカタチなのだろう。
ただ、わたしは「win」というより、「happy」の立ち位置にいると思っている。
わたしは、「ここー!素敵ー!この人ー!素敵ー!」を知れて、そして書けて、(それがお仕事にもなって)、happy。
媒体は、ひとつの記事が生まれてhappy。(読んでもらえたらなおhappy。わたしががんばらねばなのですが)
取材先は、紹介記事が出てhappy。(だといいな)お客さんが増えたらもっとhappy。(増えたらいいな)
……という流れの中で、「ああ、取材に時間割いてよかったな」と取材先に思ってもらえるのが理想だなあと思っている。
取材先に迎合するだとか、忖度するだとかっていう話ではない。幸い、わたしは取材相手・場所に「素敵ー!」と思ってばかりなので、あとは表現の問題だけ。本心を書かせてもらえている。幸せ。
PVが上がれば「win」かもしれない。お客さんが増えたら「win」かもしれない。でも、「win」をもたらすというよりは、そこに付随する「happy」をもたらせる仕事をしたいなと思う。
幸い(?)、惚れっぽい性格ゆえに、「あーーーー、めっちゃいい。ほんといい。素敵です!!」というテンションになりやすい。そして、そのテンションがダダ漏れになりやすい(笑)
結果として、そのテンションも取材先に喜んでいただけることがあって、「いい!」と思えば思うほど落ち着きはない(かもしれない)けれど、happyを手渡せていたらいいなあと思う。
「happy- happy」はなんだか語呂が良くないけれど、わたしはここを目指したいなあ。勝つのと何が違うの?って言われそうだけれど。
さて、午後からも一件取材です。