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再掲)萬鉄五郎記念美術館

2022年7月4日 16:19

花巻新渡戸記念館と宮沢賢治記念館です。近いのでぐるっとまとめて回ってきました。

新渡戸稲造と言えば『武士道』ですね。あとなんかの学者だったはず・・・とこんな知識ぐらいしか持ち合わせておりませんでした。
5千円の人だった(薄)。今は樋口一葉でしたっけ。台東区に記念館がありますね。

宮沢賢治を紐解こうとすると、『銀河鉄道の夜』、イーハトーブという大きなカギがあります。故郷である岩手を理想郷とした、賢治の精神世界があらわれる。
また、『注文の多い料理店』は民俗的な精神性が描かれている。2人の西洋人は山に入り、ハンティングを楽しみます。娯楽で動物の命を遊ぶ西洋人。生きるために狩猟を行う土地で生きる人。命というものに対して考え方、消費のありかたが大きく違います。童話ですが、裏テーマ的な怖さを持ち合わせた作品ですね。


あれ、《裸体美人》がなぜ・・・と思ったら複製でした。萬鐵五郎(1885−1927)の代表的な作品の一つです。本物は東京国立近代美術館の常設で展示替えされてなければ、見ることができます。
展示のはじめに、水彩画がずらっと並んでいました。萬のイメージとして、濃彩、フォーヴィスム、前衛的というイメージでいましたが、水彩で淡彩の作品も多く描いていました。キャプションを読んでいると大下藤次郎(1870−1911)の水彩画の技法が書かれた『水彩画の栞』に影響されていた。影響をもってできた作品は大下から酷評され、画風の方向転換につながったらしい。油画より前に水彩画を描いており、なるほど納得。

『私の履歴書』内で萬は「さかのぼって考えるのに面白かったのは、美術学校の五年間であった。この五年間だけがぽっかり陽があたっているというような感じである」と言っている。
美術運動が盛んになるなか、やはり西洋画はなかなか主流とならない中で作品を生み出すのには一苦労あったのだと思う。


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