本の感想 辻村深月『かがみの孤城』
ジャンル:ファンタジー、学園もの
辻村深月氏の著作『かがみの孤城』の文庫版を読了したため、涙鼻水を垂らしながら感想を書く。
※ネタバレは避けてるつもりです
あらすじ
不登校、生きづらさがテーマとは…。
これは心打たれるものがありそうな予感。
名前だけは聞いていた作品だったため、文庫本を手に財布は確認せずレジへ向かった。
こうした、ファンタジー系を読むのは久々なので楽しみ。
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感想
あ〜〜〜温かいよ〜〜〜(鼻水ズビビィィ!!)
とても温かくて優しくて切なくて幸せですよわたしは。目頭が熱いし鼻水も止まらないし。
文庫版は上下巻に分かれているのだが、
上巻では
「これただ時間が過ぎていくだけなのでは?」
なんて思っていた。
しかし下巻に入れば
「なるほど〜〜(唸)」「好き〜〜(尊)」
ってなる。
後半の巻き返しというか、伏線回収はもちろん、ファンタジーなのにリアリティのある世界観で、リアルの世界に引き戻されてしまった切ない感覚に陥る。
不登校という現実的なテーマから、よくこんなに温かい結末が描けるなと感激(謎目線)。
結末はこうなるのかな、というよりも、こうなって欲しいという感情が強かった。
鏡の中と外の温度差が苦しい。苦しいシーンの描写がリアルすぎて悶える。
エピローグでは驚き&感動。も〜〜好きぃ〜〜。
彼らの幸せを願わずにはいられなかった。
キャッチコピーがとても良い。
“生きづらさを感じているすべての人に贈る”
泣く。
作品概要
不登校の中学一年生、安西こころの視点から描かれるファンタジーな物語。
性格も年齢もバラバラだけど、確実に共通点のある七人が集められた謎の城。
そこで繰り広げられる日常と、彼らの本当の世界で起きる現実のギャップで風邪を引く。
中学生という時期のリアルを、こころの視点ではこれでもかと体験することができる。
反面、鏡の世界での温かさも体感することができる。
読み進めていく中でハラハラする場面もある、しんどくなるシーンも多い。
それでも居場所があるという安心感で嬉しくなる。
星付け
読みやすさ:★★★★☆
辻村氏の作品は初めて読んだのだが、非常に読みやすかったと感じる。ただ描写がリアルすぎて苦しくなる。文庫版は字がデカくて嬉しかったです。
登場人物の魅力:★★★★★
城のメンツはもう言わずもがな最高だが、こころの周りの人々も非常に魅力的。いかにも等身大な悪役ポジションにリアルな教師。彼女らのおかげで城メンツの温かみが沁みる。
温もり:★★★★★★★
作中の緩い温かさも、結末の怒涛の優しさも全部が良すぎる。思わず微笑みたくなる、泣き笑いしてる。彼らの成長を感じてまた温かくなる。
最後
温かく優しいファンタジー、『かがみの孤城』
本当に不思議な城が、彼らが存在しているようなリアリティを味わって欲しい。
繊細で優しい彼らの心に感動すること間違いなし。
読後の余韻も最高だから味わいなさい。
閲覧ありがとうございました。