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【国内初】商業施設×DAO / 最新コミュニティマーケティング事例『登Q門』_東急不動産SCマネジメント×Unyte

この記事では、国内初の【商業施設×DAO】の事例をお伝えします。

<こんな方に読んでいただけると嬉しいです>

  • DAO運営やコミュニティ事業に興味のある方

  • 大企業におけるDAOの活用事例を知りたい方

 前のnote記事、経験者に聞く、DAOの立ち上げ・運営のコツ 〜「OneGlobal Community」mAL氏〜は、以下からご覧いただけます!

登Q門(トウキューモン)とは?
 学生の挑戦を後押しをする活動を通して、施設の活性化及び、街の活性化に繋げるためのDAOコミュニティ。新しいことに挑戦したい学生が、自分たちで企画の構想から 提案、準備を行うことができるWeb3型コミュニティ。9月16日、大阪市にある「あべのキューズモール」にて学生らが企画した商業ブースの展示が行われた。(PR TIMES)

今回は主に大学生が参加。「15-24歳の高校生以上の学生」なら誰でも応募ができる

 今回、企画を担当をされた東急不動産SCマネジメントの東(あずま)さんは、このように振り返りました。「あべのキューズモールでは、周辺住民の方々や行政・地域活動者、テナントさんと一緒に、色々なコミュニティを応援する『ギャザリング』イベントを実施してきました。今回の登Q門では、高校生以上の学生を対象とし、地域の枠を超えてより広い地域からもコミュニティに参加していただき、あべのキューズモールでやりたいことを実現してほしいという思いがありました。結果、参加してくれたDAOメンバーは幅広く、地域の枠を超えた新しい取り組みになりました。

あべのキューズモール

⚫︎東急不動産SCマネジメント
 東さんへのインタビュー⚫︎

⚫︎当日の開催地
 あべのキューズモール / 大阪府大阪市阿倍野区

⚫︎インタビュイー
・東さん(以下、東)
 東急不動産SCマネジメント株式会社
 企画開発本部 運営企画部 運営企画課
 UnyteへDAO企画 / 運用を発注

インタビュアー:Unyte PR部

DAOの取組全体について

キービジュアル:DAOメンバーらが商業施設あべのキューズモールでやってみたい企画に挑戦をする。Unyteプラットフォームで企画実施に向けたコミュニケーションを取り、コミュニティ活動に対する貢献が可視化されることが特徴だ

登Q門の概要と背景を教えてください

東)東急不動産HDとして長期経営計画で「DXによる新しい体験価値の創出」を掲げており、商業施設においてもDXを通じて新しい体験価値を創出できないかというのは、日々検討しております。また、キューズモール各施設では地域コミュニティを応援する「ギャザリング」という活動を行っており、社会や地域の活性化に貢献できるよう取り組んでおります。今回のDAOを活用した登Q門の企画は、「DXによる新しい体験価値の創出」とギャザリング活動を組み合わせたものになります。

 登Q門企画は「若者を中心に施設や地域を活性化させたい」ということが背景にあります。以前、学生さんと話す機会があり、その際印象的だったのは、「学生さんの興味関心が多方面にあり、やりたいことやアイデアは色々とあるけれど、自分たちだけで挑戦するのはなかなか難しい」という課題を持っていたことです。そこで企業として、学生さんのアイデアを実現するお手伝いができないかと思い、登Q門を立ち上げました。

登Q門で成功したことは何ですか?

東)当日は、多くのお客様にブースへ訪問してもらえたという印象です。学生さん手作りのアクセサリーをブースに来て購入してくださる方がいらっしゃったり、食育クイズや参加型アートなどにお子様連れが多くいらっしゃったりと、ブースに来ていただいた方には楽しんでいただけたのかなと思います。また、DAOメンバーにとっても、メンバー自身が企画構想から実施まで行い、あべのキューズモールという商業施設を活用してやりたいことが実現できたというのは良い経験になったのではないかと思います。

 登Q門の取り組みの中で、DAOの運営や企画の推進がDAOメンバー主導でなされたことは一つの成功と言えるかと思います。企画内容やポスターデザインなど、企画にかかわる全てをDAOコミュニティとしてメンバー間で意思決定をしてきました。そのため、最終的なアウトプットはDAOの意思が反映されたものとなり、そのことは参加してくれたDAOメンバーの満足感に繋がったと思いますし、DAOの良さが出せた部分でした。ただ、まだまだ改善の余地はあると考えます。今後より多くの方に参加いただき、コミュニティ内の活動をより一層活性化させていきたいと思います。

奥にはアパレルブース。柱の前には参加型アートモニュメント。手前には食育ブース。大人も子ども楽しんでくれた

実際のDAO運用

DAOの設計において気をつけた点は何ですか?

東)コンセプト立案から企画実施までできるという登Q門の特徴を活かし、DAOメンバーの自由な発想を体現してもらいたいと考えていました。そのため、応募していただくうえで企画内容にほとんど条件は設定せず、できるだけDAOメンバーのやりたいことを尊重する設計にしました。

募集概要:参加者の自由な発想を促すため、「求めるアイデア」は広く募集した

東)登Q門の立案当初は、施設側でアイデアを最終決定するという方向性でした。まずは企画をたくさん集め、最終的に施設主導で1つに決定しようと。そうすればアイデアや品質をコントロールできるし、安全性の担保もできます。しかし「せっかくDAOなんだから、DAOらしく決めよう」ということになり、施設側からは基本的に関与せず、DAOメンバーの決定を受け入れる方向にシフトしました。中央集権的ではなく、コミュニティで考え・決めるというDAOならではのプロセスを重視しました。

 また、企画推進に必要なタスクを設定しました。企画書作成、スケジュール作成、キービジュアル作成など、初めてプロジェクトを行うメンバーでも分かりやすいようにしました。ベースはUnyteの井澤さんが作成し、その後一緒に精査と決定を行いました。参加リワードも、メンバーの興味関心を引くような設計にしたいと思い、Unyteさんとじっくり検討しましたね。メンバーの反応は良かったそうで、今後も要望に対応し、新しいものを付け加えていきたいです。

リワード一覧:DAOで貢献することでトークン(ポイント)を獲得し、様々なリワードと交換が可能になる

実際、運用してみた感想を教えてください

東)良かった点は、実際にDAOメンバーから「楽しんで活動できた」という感想を聞けたことです。Unyteツール上ではメンバーの貢献が可視化されることで、活動のインセンティブが生まれます。日々、タスクの実行を通じてトークンが獲得できたり、リワードが付与されたりすることを楽しみとして取り組んでもらえたのだと思います。

 一方、うまくいかなかったことも多々ありました。「DAOだから、施設側のメンバーからあまり関与せずメンバーの提案やアクションを待ち続けたほうが良い」「中央集権的にコントロールをしないほうが良いので、企画推進のマネジメントもすべて任せよう」とあえて距離をとった結果、「メンバー側からの提案やアクションが少ない」「企画が上手く進んでいかない」という課題に直面しました。見落とされがちなポイントではありますが、自律分散性を尊重するDAOであっても、参加メンバーに取り組みの目的や意図・進め方を丁寧に説明し、巻き込みを行っていく必要がある、という点でコミュニティマネジメントの必要性を強く感じました。

来場者の反応はいかがでしたか?

東)概算としてブースには200名の来店があったと思います。食育に関する展示ブースでは、お子様がクイズに挑戦している姿を、保護者が近い距離で見て一緒に考えられるようにブースの設計が行われていたのが良かったですね。「食べ物に関する絵を描いてもらう」といった参加型アートのブースでも、70個ほどのイラストが集まっており、多くのお子様連れに楽しんでいただけたのではないかと思います。

今後の登Q門

東)直近は登Q門を立ち上げ間もないこともあり、3ヶ月間で1つの企画実施に留まり、且つ、進行中の企画に新しいメンバーが途中から入ることがあまりなかったりと、コミュニティとして流動性がなかった点は改善していきたいと考えています。今後は同時並行的に複数の企画を実施できるような体制を整え、いつ入っても楽しんでいただけるようなコミュニティを作っていけたらと思います。参加したメンバーさんからは好評だったようなので、企画を実施する機会をより多く提供していければなと思います。

 オンラインの交流がメインのコミュニティですが、リアルでの打ち合わせも実施していました。どうしてもオンラインだと意見が言いづらい部分もありますし、メンバーの親交を深めるためにも、今後も定期的にリアルイベントをやってみたいと考えています。企画内容の決定前であればブレストをしたり、決定後であればどう推進していくかというリアルな意見交換の場を設けていきたいです。

 いずれは、あべのキューズモールのテナントさんとも一緒に取り組みをできたら面白いですね。今回はイベント実施のためのスペースを提供させていただきましたが、施設の持つリソースはもっとたくさんあると思うので、参加者に価値あるものを提供していければと思います。今後も登Q門を日々ブラッシュアップしていくので、あべのキューズモールで何かやってみたい・新しいことに挑戦してみたい学生さんをお待ちしております!

企画準備の様子:企画当日は十数名のDAOメンバーが早朝に集まり、ブース設営などの準備を行った

⚫︎Unyte 上泉 / 井澤へのインタビュー⚫︎

⚫︎インタビュイー
・上泉 / うわいずみ(以下、上)
 株式会社Unyte Founder 兼 CEO
 担当:クライアント折衝 / 企画立案

・井澤 / いざわ(以下、井)
 株式会社Unyte COO
 担当:プロジェクトマネジメント / コミュニティマネジメント

インタビュアー:Unyte PR部

依頼内容について

それぞれの役割は?

上)私はDAO設計の相談役と現地サポート、クライアント折衝ですね。東さんとは中高からの同級生で、直接「ギャザリングをDAOでできないか」という打診があったのが、そもそもの始まりでした。

井)私は、DAOの設計から運用に関して全般的なサポートをしておりました。具体的には、DAOとしての目的やゴールの明確化、ターゲット選定、集客戦略立案、インセンティブの設計、内部の意思決定プロセスの設計、DAOメンバーとミーティングなど様々なことを行っていました。

DAOの設計

DAO運用で成功したことは?

井)リアルイベント+DAOという、1つの型を作れたと思います。そして、DAO的に進められたのが良かったですね。あくまで事務局としてDAO活動を促すコミュニケーションは取りましたが、メンバーが自ら考え、提案し、動くというDAOらしい活動ができました。全く知らない人同士が集まり、企画の実行ができたのは、とても大きな成功だと思います。

 また「学生さんは挑戦したいことがたくさんあるが、お金の面や挑戦の機会・フィールドがないことによって、やりたいことを実現できていないのでは?そこにキューズモールのリソースを掛け合わせることで喜んでもらえるかも?」という初期の仮説に対して、「学生の挑戦を後押しする」というコンセプトで登Q門を発足しました。楽しみながら積極的に活動いただいているメンバーを見て、施設側の想いを受け入れてもらえていただけたかな、と感じられたことも成功したと思える要素の一つです。

今回のDAO運用で改善したいことは?

井)もっとDAOメンバーとコミュニケーションをとる、というのが今後の改善点になると考えています。登Q門のメンバーとお話する中で、活動の趣旨や実際の活動、Unyteツールの使い方等が伝わっていなかった部分があったり、途中から参加するメンバーに対して丁寧なオンボーディングをしないと「置いてけぼり」状態のメンバーが生まれてしまう、と感じたことがあったためです。今後は定期的なコミュニケーションの場を用意するだけでなく、メンバーの負担にならないような形で簡単にコミュニケーションが取れる機会を増やしていきたいと考えています。

次回の活動に活かしていきたいことは? 

上)あべのキューズモールにリアルで集まれる、という強みを生かして、メンバー同士、もっと楽しい雰囲気で進めていきたいですね。最初はみんな硬い雰囲気だったので、どうやって関係を深めていこうかなと悩んでいましたが、リアルイベントの度に仲良くなっていきました。最初は顔合わせとディスカッションをメインにしていましたが、次回はもう少し軽く「仲良くなろうぜ」という休み時間に来れる雰囲気のイベントも盛り込んでいく予定です。

井)私もリアルで行うイベントの数をもっと増やしたいです。そのイベント自体も、登Q門のメンバーで企画し推進できるようにサポートしていきたいと考えています。今後は参加者が増える見込みですので、メンバー間での役割分担や進め方の整備も実施していきたいですね。

あべのキューズモール、登Q門メンバー、Unyteの全員で企画を作り上げた

Unyteについて

 UnyteではDAO構築のための統合プラットフォームの提供に加え、登Q門をはじめとするエンタープライズ企業におけるDAOプロジェクトや、金商法府令改正に基づき設立が可能になった合同会社型DAOの構築・運用のサポートが可能です。DAOの設立をご検討されている方は、ぜひ以下のリンクからUnyteチームまでお問い合わせください。


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