
好きなことを続ける。
最近ますます書道が好きになった。
私が自分の腕で人に『ありがとう!』と喜んでいただける仕事をしていることは私の誇りでもある。
しかし私は自分の技をもっと磨きたくて、再び師のもとで稽古する道を選んだ。
師匠や大先生は私に与えてくださるばかりでお金はほんの僅かしか受け取ってくださらない。
『わしらも昔そうやってしてもらったんや。お金もなかったしな。』
私の書が一番上手に書けるようにと、この筆を使いなさい、この紙に書いてみなさいとご自分の大切にしているものを惜しみなく差し出してくださるのだ。
しかし半紙や半切、全紙と呼ばれる大きな紙はあっという間に消費されていくし、墨は膠入りの高価なものを使っているが半紙と同様にすぐに無くなってしまう。
これらは自分で補充していかなければ作品を書くことはできない。
絵を描く人、音楽をされている人もたぶん似たような感じで作品を制作するための道具や楽器にたくさんのお金がかかるんだと思う。
世間でアーティストと呼ばれる類いの人は、お金儲けよりも作品を創作することに夢中になりやすいし、むしろその姿勢こそ美しいとされる雰囲気があるように感じる。
しかし現実には生活していかなければならないから、仕事をしたり、家族のサポートを受けたりしながら創作を続けている人はたくさんいるはず。
私もnoteで書道以外の有料のエッセイやレシピなんかも書かせてもらっているが、購入してくださる方やサポートをしてくださる方には心から感謝している。
昨年は初めて美術展に出品し、無事入選することができたのもnoteのフォロワーの皆さんの応援とサポートのおかげだと思っている。
美術展に出品するだけでも額や裏打ち費用、紙に筆に墨を合わせるとものすごい金額になる。
皆さんから頂いた大切なお金を遣わせていただき、私は今日も書道を続けていくことができる。
noteは私たち創る者たちだけのものではない。しかし私たち造り手には有難い場所なのは間違いない。
ずっと続いてほしい場所だと心から願っている。
好きなことを続けることで、誰かの心に何か喜びや夢を与えられたら、それが一番嬉しい。
人によりけりだと思うが、私は自分のためだけに創る行為は、私自身には喜びも満足感も与えることはないということだけはわかっている。
頑張ってるね、素晴らしいねという声を追い風にしながら走ることと、向かい風に独りきりでぶつかっていくのでは前者の方が幸福感は増す。
日々筆を持ち書き続けることは、孤独で押しつぶされそうになる日もあるし、自分の技量が伸び悩むことにぶつかって泣きたくなる日もある。
だけど。
noteを開くと、スキやコメントをくださる人々がいて。
おやつが美味しいよ、
今日の空はこんなに綺麗だったよ、
今日はこんな美味しいの食べたよ、
こういう曲を作ったよ、
こんなの書いてみたよ、
今こんなのを描いてる途中なんだよ、
たくさんの声がワァーっとこだましていて、私の孤独は少し和らぐ。
好きなことを続けることはラクじゃないけれど、ひとりぼっちじゃないことを感じさせてくれる場所があることにホッとする。
つくる、つながる、とどける。
この場所がずっとそうあってほしい。
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