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「今月の細字は手本あらへんで。みんな自分で好きなようにデザインしいや。」「えーっ‼︎」 稽古場ではそんな声が上がった。 しかし。 私はひっそりニンマリ。 「和菓子のパッケージラベルのデザインを考えなさい。構想、字体は自由。」 これは楽しい‼︎ 通常の競書課題では難しい古典ばかりが出題され、「好きなようにしいや」などという課題が出ることはとても珍しいことなのだ。 さっそくデザインしてみた。 「なぁなぁ、ドカ弁!どのパッケージが好き?」 ドカ弁に訊ねてみる。
空海の「漢頂記」を稽古している。 空海の書は、力強くスケールが大きい。 稽古場では。 「あかん、全然書かれへん!」 「わからへん!難しい!」 溜息がこだましている。 自分なりに書けたかも‼︎っていうものが仕上がったので並べて置いておくと大先生がやってきた。 「これはあんた、誤字や。」 えーっ!誤字⁈ 観世寺と書いたものが、観世音の間違いだという。 走り書きのメモのような「漢頂記」は、寺の名前を書いたものが多く、私が選んだ臨書部分も「音」が「寺」に見えてしまった。