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私の所属する書道会派は、個性が強い作品、その人しか書けない一点ものこそ価値があるという考え方である。 「今年の競書内容はよく考えとるなぁ。顔真卿、空海と繋がりがある書を選んできたな。難しいことをやるのは腕が上がる。強い美しい線が書けるようになるには外されへんからな、がんちゃんと空海は。」 大先生は熱く語り始めた。 大先生や師匠が「がんちゃん」と呼ぶこの顔真卿(がんしんけい)とは、中国の有名な書道家で、唐時代の政治家でもあった人である。 蚕頭燕尾(さんとうえんび)と呼ば
お昼どきになると、近くのお店で働く人たちがランチに向かう姿を見かける。 今日見かけたのは、ある自動車メーカーの整備士さんたちのグループだった。 みんなお揃いのつなぎ服を着ている。 ちょっと日差しが強くなり、暑いのか袖を捲りあげている人たちが多い。 つなぎ服が少し汚れている人もいて、「働く男」を感じさせる。 私は車を運転するのが好きだけれど、車の整備はまるで何が何やらなメカ音痴である。 遠い昔、スキーに行くとき、雪道になってきたのを見計らって、男の子たちがジャッキで
先月のホワイトデーの話をいまさらであるが、まぁ聞いてほしい。 ドカ弁が紙袋いっぱいのかわいいお菓子を持ち帰った。 可愛くラッピングされた焼菓子やクッキー、ブラウニーなどがテーブルの上にズラリと並んだのである。 「みんな上手やね〜!友チョコにもお返しとか必要なん?お互いさまってことでお返し制度はナシじゃあかんの?」 そう聞いてみたのだ。 すると友チョコ交換のじゃないという。 「え?本命以外は友チョコじゃないの?」 今は友チョコ交換が主流のバレンタインだと思っていた