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なつの栞⑩ 懐かしの蛍鑑賞

関東より西の地域では、蛍を見るには、ピークは越えた感がありますが、
東北や北海道地域や標高の高いところは、まだ蛍鑑賞はできます。

子供のころは、田舎でも蛍鑑賞ができました。
ちょうど、夕食が終わり、外も涼しくなってきた20時頃になると、父親が外に出て、蛍が舞っているのを確認。
「蛍が飛んでるよ。見に行こう」と両親に誘われるまま外に出ます。
「わー。蛍が飛んでる」手を広げて、蛍を捕まえ逃げないように両手を丸めて、手の隙間から、蛍の輝きを見るのです。
点滅する、柔らかい優しい光に、子供ながらに癒されたのを覚えています。

母から、口を酸っぱく「二つ並んで光り、点滅しないのは蛇の目。蛍ではないから気をつけなさい」と言われ、蛇に注意しなくては、と楽しんでいたことを思い出します。
現在は、環境変化のためか、蛍鑑賞はできなくなってしまったが、懐かしい夏の思い出になっています。

蛍の種類は
・ゲンジボタル:成虫になるのは5月下旬~6月下旬
            (流水性:流れのあるところ)
・ヘイケボタル:成虫になるのは6月下旬~8月(止水性:水田)
・ヒメボタル:成虫になるのは5月下旬~7月下旬 (森林、草)

風がなく、どんより曇った蒸し暑い夜(目安は20度から25度以上。水温は15度から20度ほど)。川や水田の草むらから、蛍は日没後1~2時間頃に活動。20時台が目安になりますが、23時頃、深夜2時頃も見ることが出来ます。
7月中旬以降は、東北、北海道や標高の高い地域で蛍鑑賞が楽しめそうです。

私が、何気なく子供のころに見ていた蛍は、種類を調べてみると、ヘイケボタルだったのでしょう。
大人になった今では、実家の蛍鑑賞はかなわないため、都内の庭園で、静かにあの頃を思い出しながら蛍鑑賞をしています。
やはり、優しくやわらかな光は、いくつになっても心を癒し、和ませてくれます。

                           御室文美子




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