詩ことばの森(233)「花のありか」
花のありか
花のなかに 埋もれているもの
昨夜ふりつづけた 雨のしずく
終わりを告げた 花の季節のかけら
わたしたちが訪れた 高原の風のにおい
あの道は どこまで続いていたろう
小さな丘をのぼっていく僕の
うしろを歩いていた君のすがた
それらが こもれびに照らされていた午後
あのまま 帰ることのない時間を
どこかにおき忘れてきたのだろうか
もう一度 君にきいてみることができたなら
あの花のありかを 知ることができたのなら
(森雪拾)
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