詩ことばの森(252)「母校を訪ねて」
母校を訪ねて
数十年ぶりに 母校を訪ねた
その日は秋晴れで 清々しい日だった
校庭の植木のあいだを
シジミチョウが二匹
せわしげに飛んでいる
彼らは 離れては近寄り
草にとまっては また飛びたつ
何かを語り なにかを求めて
君と歩いた並木道の木々は
いくぶん背が低くなったように見える
若い季節はあっという間だった
それは自由な日々だったが
いつも苦さを抱えていた
校舎はすっかり新しくなり
見知らぬ若い人たちが歩く
変らないのは 秋の空ばかり
(森雪拾)
母校を訪ねて
数十年ぶりに 母校を訪ねた
その日は秋晴れで 清々しい日だった
校庭の植木のあいだを
シジミチョウが二匹
せわしげに飛んでいる
彼らは 離れては近寄り
草にとまっては また飛びたつ
何かを語り なにかを求めて
君と歩いた並木道の木々は
いくぶん背が低くなったように見える
若い季節はあっという間だった
それは自由な日々だったが
いつも苦さを抱えていた
校舎はすっかり新しくなり
見知らぬ若い人たちが歩く
変らないのは 秋の空ばかり
(森雪拾)