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詩ことばの森(250)「幻の山」

幻の山

長い道のりのあいだ
山肌には岩が目立ちはじめ 
木々は遠くなった

白く光る山は
あれは 幻だったのか

帰らぬ場所にいた 
親しい人たちの顔が
いくつも並んでいたように見えた

連なる山並みをまえに
自分も 幻の存在にすぎない

やがて 風が吹くと
それらの影は散らされて 
遠く連山が広がっているだけ

(森雪拾)

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