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詩ことばの森(91)「校舎」

校舎

机の下に落ちていた
鉛筆の先の丸みに
いったいどれほどの時間を費やしては
人の分別やらとりとめのない想いを
記しつづけたことか

すべてについて語れば
それがすべてをあらわすだろうし
わずかに咲いた小さな花の影に
その時々の心を映し出すこともある

その人にとって価値ありとするものこそ
私も大切にしたい

夏の丘の木々が
今も風にゆれている


(森雪拾)

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