詩ことばの森(234)「高原の秋」
高原の秋
霧が晴れると
そこには 小さな停車場があって
小さな木の椅子がおかれていました
滴にぬれたコスモスの花が
風にゆれているばかり
あの日のきみは
鳥のさえずりに耳を澄ませ
色の変わりはじめた
森をみつめていました
遠くへ忘れてきてしまった
大切ななにかを探しているかように
待ちつづけているのは
少女の面影でしょうか
悲しい心は森の湖に
深く沈んでしまいましたけど
今朝も コスモスが咲いています
霧が晴れると
そこには・・・
(森雪拾)
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