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詩ことばの森(270)「遠い北の故郷」

遠い北の故郷

今日は穏やかな秋
けれども故郷は
もう冬景色だと
友から知らせがきた

秋の風がまぶしい光とともに
木の葉を舞わせている小道で
僕はふるさとの友を思っている

北国の秋は一瞬で過ぎ去った
先週は初雪だった
こんもりした山の頂は
白く化粧をしている

こっちに来る時は
しっかり着込んでこいよ
そんな友の気配りに
僕は友の顔を思い浮かべた

自然が圧倒的な存在として
友の前に立ちつづけている
遠い北の国の故郷に
僕はもうすぐ帰るのだ

(森雪拾)

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