![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154918415/rectangle_large_type_2_78c5ae9cfb30ce710251dc1e20d054e8.jpeg?width=1200)
詩ことばの森(232)「ある予感」
ある予感
この部屋を
今日からは忘れなければならない
誓いにふさわしい青空だ
わたしの意志を後ろから
後押ししてくれるようだ
夏の焼け跡に咲いた花の
思い出を描いて
わたしの部屋に飾った日
あなたは椅子に座りながら
ノートにことばを書きつづけていた
それらのことばが
あの日のわたしとあなたに
なにを意味していたのか
なぜ あの時
そのことを知ろうとしなかったのか
問わなかった あるいは
問う必要がなかったのかもしれない
いつかは あなたは旅立ち
わたしもまた 去るであろう日を
予感していたとしたら
(森雪拾)