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詩ことばの森(225)「幻の花」

幻の花

白い花かと思った
わたしはどこへ行くのか
広い世界は案外に狭く
長い距離も実は短かった

なにが変わったというのだろうか
雲のゆくえも 
水の流れも
わたしは空を仰いでいるばかり

幻のように敷きつめられた
高原に咲いた花々の
わずか一輪でさえも
永遠につかめぬというのに

(森雪拾)

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