戦争を知らない
今日もこの国は平和だ。飲みの席に行くと、食べ物が結構残っている。世界の何処かではその日食べるものに苦労しているというのに。
近くで殺人事件が起きたらしい。犯人は逮捕されている。そう思うとすっかり安心してしまう。他の誰かの悲しみは消えることはないのに。
「さて、仕事に行くかぁ。」
飲みかけのコーラを一気に飲み干して、会社に行くことにした。何気ない平日の朝である。ライブに行ったり、映画を観たり、恋する彼女にプレゼントを買うために貯金を作らなきゃなぁ。男は心の中でそう思うと職場に向かって行った。楽しいことを考えている彼の足取りは軽い。
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