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うぬぼれ配信映画夜話 第9回 中田秀夫の「恐ポップ」とは一体何だったのか。 ー 『事故物件 怖い間取り』(2020)と『“それ”がいる森』(2022)を中心に
2022年もJホラーが多々上映されていましたね。私も忙しい中なんとか劇場に足を運んで楽しんでいたのですが、その中で目についたのはJホラーの定型から外れた上でJホラーというジャンルを再考する作品群でした。 例えば、木村ひさし『貞子DX』(2022)では、Jホラーの恐怖演出をギャグとして相対化した上で、SFとしての側面から原典が捉えられています。シリーズで唯一映画化されなかった『ループ』を現在の社会状況を踏まえて再解釈したかのような『貞子DX』はJホラーの本質を思索しつつも、
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うぬぼれ配信映画夜話 第7回 阪元裕吾の軽やかな転身と日本映画を席巻するU'DEN FLAME WORKSについて
今回取り上げるのは、2021年、ミニシアター系の作家で最も躍進したといえる阪元裕吾です。主に『ベイビーわるきゅーれ』(2021)を観た感動を軸に語っていきたいと思います。 とはいえ、私が観に行こうとしたのは監督の特集上映が組まれはじめたここ最近でして、コロナや地理的事情から今の今まで観に行けなかったのですよねぇ…。 …それに、実をいえば半信半疑でもありました。というのも、最初に観た『ハングマンズ・ノット』(2017)の評価がそれほど高くなかった、というよりマイナスだった
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