井川 定一 AVPN/日本で最も詳しい国際協力NGO情報

アジア最大社会的投資AVPN/NGO・ソーシャルビジネス経営コンサル/日本ファンドレイジング協会/緊急人道支援専門家/助成金審査・財団評価/各種地域課題解決調査統括/コミュニティオーガナイザー/Nピボ共同代表/災害復興専門家/地域開発学修士/デジタルノマド/旅人

井川 定一 AVPN/日本で最も詳しい国際協力NGO情報

アジア最大社会的投資AVPN/NGO・ソーシャルビジネス経営コンサル/日本ファンドレイジング協会/緊急人道支援専門家/助成金審査・財団評価/各種地域課題解決調査統括/コミュニティオーガナイザー/Nピボ共同代表/災害復興専門家/地域開発学修士/デジタルノマド/旅人

最近の記事

「土壌と木モデル(The Soil and Tree Model)」#孤独孤立

この国の共同体は、長らく「地縁」(地域の相互組織や助け合い)、「血縁」(家族や親族等による援助)、「社縁」(終身雇用制度や企業福祉制度)に基づく「3つの縁」に大きく依存してきた。しかし、少子高齢化、家計独立化、婚化・単身化、過疎化、高齢化、移住、雇用不安定化、非正規労働増加、ワーキングプアなどにより、「3つの縁」が希薄化し、共同体は危機に瀕している。2010年にはNHKドキュメンタリーで「無縁社会」という言葉が使われ、それ以降、望まない孤独・孤立への危機感が高まっている。

    • 忘れられた危機への活動資金

      今日は、日本ファンドレイジング協会主催で「#国際協力×#ファンドレイジング」というテーマでディスカッションの録画をしていました。その中で出てきたのは、「忘れられた危機」に対する資金の問題です。メディアで取り上げられるウクライナやガザでの危機などに資金が集中し、世界の他の危機に対する資金が激減しています。 先週19日、日本政府はウクライナに158億円の無償資金協力(つまり贈与)を提供しました。内容は、(1)地雷・不発弾対策、(2)電力・エネルギー分野、(3)運輸交通分野、及び

      • 人生を多くの友人たちと豊かに生きる方法

        僕は約20年前の学部生であったバックパッカー時代、「貧しさ」と「豊かさ」に出会った。 骨と皮だけになり、シンナーで意識が朦朧としながらでも必死に物乞いをする多くの子どもたち。当時の僕は、大きな衝撃を受けた。言葉が分からない中、笑顔で必死に話しかけ、少しでも理解しようとしている間に、心を開いてくれ、遊べるようになった。暫くすると大学生である自分は日本に帰り、旅費を貯めるためにアルバイト生活に明け暮れる。そしてまた旅に出て、別の国や地域で同じようなことを繰り返す。 自分は学生

        • この数年でいろんな仲間と実現したいこと!ワクワク。

          ■1. 民間・公的資金の「質」革命 1) 民間資金革命(大手財団及び企業CSRの戦略的フィランソロピー拡大&民間助成資金改革) ①資金の質:助成制度における「信頼ベース(Trust-based)」「インパクト重視(Impact Focused)」の無指定・長期・アジャイル型資金の一般化 ②資金の多様性:ブレンデッドファイナンス(助成金⇒融資:成果連動型)、助成的融資・返還可能な助成金(Returnable grants)、ソーシャルローン等の多様な資金の一般化、インパクト投

          ワーボラケーション(ワーク+ボランティア+バケーション)生活、3年目

          2020年から目指してきた「ワーボラケーション(ワーク+ボランティア+バケーションの井川造語)」の生活、3年目が終わりました。去年までは、8割災害ボランティアという生活でしたが、2022年の半分以上を費やした全国バンライフ旅を通じて、ようやく3つのバランスが取れてきた気がします。 別の言い方をすると、2005年~2020年の「社会を良くする仕事に全力」の生活から、2020年以降の「社会を良くする仕事をし、その資金を社会に良いこと(ボランティアや寄付)に全力で再投資」する形へ

          ワーボラケーション(ワーク+ボランティア+バケーション)生活、3年目

          本年度の企業フィランソロピー大賞に、パナソニックホールディングス株式会社の「NPO/NGOサポートファンドfor SDGs」

          本年度の企業フィランソロピー大賞に、パナソニックホールディングス株式会社の「NPO/NGOサポートファンドfor SDGs」が選ばれた。とても嬉しい! 私は高校生1年生の時、阪神大震災によって当時住んでいた兵庫県の家に住めなくなった。大阪の鶴見区に住む叔父が、彼の家の近くのアパートを手配した上で、私たちを助けに被災地まで軽トラックで駆けつけてくれた。避難所で高熱にうなされていた私は、意識がもうろうとしながら、その時の光景をまだ覚えている。大阪の鶴見区に引っ越しをした。地域の

          本年度の企業フィランソロピー大賞に、パナソニックホールディングス株式会社の「NPO/NGOサポートファンドfor SDGs」

          兵庫県香美町余部橋梁にみる先人の絶え間ない努力

          兵庫県美方郡香美町(みかたぐんみほちょう)にある「余部橋梁(あまるべきょうりょう)」、鉄道ファンの聖地だ。 百数十年前まで、日本海側で京都-兵庫-鳥取と移動するためには、航路を乗り継ぐしかなかった。しかし、この余部周辺地域は、山が海に迫る地形で海岸沿いに線路を通すことは不可能。そこで、いくつかの山の上部にトンネルを掘るとともに、山と山の間の深い谷間に橋梁が作られることになった。最初の真っ赤な橋梁(写真2つ目、3つ目)は、今から110年前の1912年に完成。これにより、船舶乗

          兵庫県香美町余部橋梁にみる先人の絶え間ない努力

          「社会における問題の解決に関与したい」と思わない日本の若者の本音

          今日参加させていただいたウェビナーで取り上げられていた世界の13~29歳男女を対象とした内閣府のあるアンケート。「社会をよりよくするため、私は社会における問題の解決に関与したい」の項目で、「そう思う」と回答した割合は、米国43.9%、英国32.4%、韓国29.9%である一方、日本は10.8%と極めて低い。 前職時代、毎年、日本の高校生数十人の2週間のフィリピン研修を行っていたのだが、その中の2日間は日本とフィリピンの若者の合宿だった。 合宿前半で交流を深めつつ、中盤で初め

          「社会における問題の解決に関与したい」と思わない日本の若者の本音

          5月8日「世界赤十字デー」に国際機関やNGOの中立性を考える #ウクライナ

          ウクライナ・マリウポリでの人道回廊に関する報道が続く。赤十字国際委員会(ICRC)と国連がウクライナ・ロシアどちらからも中立であると見られてはじめて成立するミッションだ。 政治的、人種的、宗教的、思想的な対立において一方の当事者に加担しないという「中立性」は、人道支援団体にとっての生命線。これがあるからこそ、困難な状況において、人道活動に関わるものの命を担保し、最も必要な人々にサービスを届けることができる。 同時にジレンマもこの「中立性」にある。明らかに国際法や人権が脅か

          5月8日「世界赤十字デー」に国際機関やNGOの中立性を考える #ウクライナ

          徳島県美波町のウミガメが問いかけるもの #SDGs

          地図で見ると四国の「右下」に位置し、ウミガメが上陸することで知られる徳島県美波町(みなみちょう)大浜海岸。ここには、世界唯一のウミガメに特化した博物館がある。 1950年、戦後の食糧難の時代、肉を取るために無残にも殺されたアカウミガメの亡骸を見た中学校の先生と生徒が涙を流して憤慨。ウミガメ研究会を発足させ、ウミガメの産卵回数の記録や飼育研究を始めた。当時の日本では、人々の動物保護への関心はまだ低かったが、時代に先駈けて生き物を見守り、記録に残し始めたのがこの地域の人々だ。

          徳島県美波町のウミガメが問いかけるもの #SDGs

          分断された市民が、国を超えて武器を送り合う未来 #ウクライナ #NGO

          今回のウクライナ危機発生から5か月が経った。約410万人が国外に避難、約710万人が国内避難、1,300万人は戦闘が今もなお激しい地域で、避難ができない状況に置かれている(UNHCR, IOM)。一般市民の死者数は、先週までに判明しているだけで約5,100人とされているが、実数は、はるかに上回る可能性が高い(UN-OCHA)。 これに対して、世界の人道団体がウクライナ及び周辺国で活動しているのだが、日本のNGOをみてみると、20弱の数の団体が、食糧・生活必需品の提供、医療、

          分断された市民が、国を超えて武器を送り合う未来 #ウクライナ #NGO