「早く世界滅亡しないかな」
こんな文明、早く滅んでくれと思っている。
高校生の時のことは殆ど覚えていない。
ただ、全部が壊れてくれるのを待っていた。
特に大切でもない誰かに、何か大切なことを言われるのが怖くて、とりあえず笑っていた。
大人を信用できる同級生を心から憎んで、それは間違っていないと思いたくて、誰も見るはずのない詩を書き散らしていた。
1999年に世界はおかしくなって、本気で世界は終わるのだと思った。でも終わらなかった。終わるほどの文明ではなかったのかもしれない。終わる価値もなく、ただ続いてしまっている。
受験勉強は心の底から地獄だった。私以外のすべてが煩わしく、誰のことも嫌うから、誰かに優しくなりたかった。だから、子守唄より優しい言葉をかけられれば、涙が止まらなかった。簡単に涙を落とす私にすら、優しくなれなかった。
ただ、誰よりも私が煩く幻聴みたいにかつて私を落とした私や、僕でない誰かの正しいものが、頭から離れない。運命は信じていない。人生が、選択の積み重ねならば、私のこの苦しみはただ誰でもなく僕が選んだことだってこと。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。僕はいつまで経っても1人で2人にも3人にも増えることはできない。君だってそうだ。
毎日懸命に生きているつもりではあるが、毎日違う苦しみがある。人生に無駄はないという人は信用ができない。
長く眠っている日々が続いたり、何もしない日があったり、そういう日々の記憶は鮮明ではなかったり。
もう人生に苦しまないぞ、と思いながら中央線でうたた寝をする。
それでも明日にはなる早で肉体を手放すことを望む。
こういうことを、死ぬまでやる。
こういう営みを、生活を、文明が滅ぶまで続けていく。