最近、K-3 MarkⅢを手に入れた
思い起こせば、フィルムの頃から自分がメインで使っていた一眼レフはいつもPENTAXだった。
小学生の頃は、お下がりでもらったAuto110を。
長じて、無職の頃に写真を再開したときはMZ-5を。
紙の仕事で口に糊していた頃は、撮影の必要に迫られるなどしてMZ-5Nを。
子が生まれた頃には、*ist DSを。
就学したのちに、K-xを。
自身がWEBから離れたときにはK-70を。
で、今。特に何という節目もない時期に、K-3markⅢを。
もちろんこれ以外にも、フィルムだとZrokiとかPhotoSniperとか(どっちもソ連製だ……)とか、Argasだとか、Hasselblad503c/mだとかも持っていて、いくつかは現役で使っていたりするものもあるし、デジカメということであれば、ホントではじめの頃のQV-100やら、リコーのRDC-7だとかも使ってたし、THETA SCに関しては現役。
……って、ラインナップ見ると後のリコーイメージング製品が存外多いな。
初めての旗艦モデル
カメラ遍歴を見ればわかるように、お下がりだったAuto110はさておいて、いつもエントリモデルとか初心者向けとか言われるものばかり。
理由は大きく2つあって、
大体において30前までろくな職につかず歳を食ってしまった経緯から、上位機種を躊躇いなく買うような金が無い
写真撮るのが好きではあるが巧くはないのでセルフ・ハンディキャッピングとして
要は、ずっとヘタれただけなわけですが。
職を替えて、多少心身ともに余裕ができた
他のエントリを見れば薄々わかるところだとは思うけれども、まぁ、他人にお勧めし難い環境に居て、流石に疲弊してしまった数年間。
たまに深夜の天文台に行って、なんちゃって星景を撮影するのが発散だったのだけども、深夜休日を問わない入電・対応が毎日の様に発生し、貧乏くじをひかされる局面が多かったということもあって、それも段々と億劫に。
他にも、ここで書けること書けないことあったので、散々逡巡して辞めた。
深夜の電話や通知、罵声に怯えなくて済むって、ほんと素晴らしい。
人類最後の一眼レフ?
そんな事言われたら欲しくなるやん?
スマホのカメラの性能がべらぼうに上がっていて、写真のハードルと意味合いがめちゃめちゃに下がってるようにも思える現在。
なんだってこんな手続きが多くてめんどくさい機械を使って写真を撮る必要があるんだとすら思うけども、撮りたいやん?
あえて自分の撮影設定を決めるのに弄くり倒したいやん?
レンズ、集めたいやん?
老眼だからピントだけ任せてるねんとか、微妙な言い訳を楽しみたいやん。
で、スマホの鳴動に怯えない休日に大手カメラ量販店に実機を(今更)見に行ってきた。
実機をさわってしまったが最後
ずっとエントリモデルばっかり使ってて、保育園のパパ友とだとか
がNIKONの上位機種をフルオートでだけ撮ってるの見て、砂を噛んだような気分になってたことを思い出したり、近所の大きめな家電量販店行ってもPENTAXを一切置いてないことに苛立ったことを思い出したり。
紙の仕事の頃、ロケ先でカメラマンに頼んでたらきりがないカットを、モデルから離れた場所でちまちま撮ってたら「そんなカメラで撮れんの?」と馬鹿にされ、「私、若い子に手伝ってもらわなくても独りで撮れるんで」って返したことを思い出したり。
シャッター音軽いんだよなぁ……と、ぼんやり思ったり。
と、まぁ。
ファインダがすごいとされる一眼レフだけに。
ペンタプリズムで苦労したと言われる一台だけに。
いろいろの屈折した思いを胸に。
買いましたとも。
と、まぁ。名言に背中を押されて。
これから
まもなく発売後2年になるので、カメラとしてのレビュは書きつくされていると思う。実際、グリップすごいし、ファインダすごいし、シャッタ音かっこいいし。あれもこれもすごいし。
この感覚を飾る言葉が出てこないので、そのあたりはいろいろな方のテクストを読んでもらったほうがいいのだろうけど、ともかくも。
拗らせている出不精をなんとかして、星景を、日々の視線を、いつものようにくだらないものを撮っていきたいと思う。