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縦の組織と横の組織
縦の組織は、従来からある上司と部下の関係。
横の組織は、横串で活動して成果を出そうとする関係。
縦の良いところは、ノウハウを共有・蓄積しながら後継者を育成し、その道のプロフェッショナルが継続して輩出されること。
横の良いところは、横断的なコミュニケーション・コラボレーションから、新しい発想や創造をもたらすことでしょうか。
どちらが良いというわけでもなく、トップの方々は、これらを使い分けてきました。
トップが入れ替わると縦から横へ、そして横から縦へ。
会社の歴史や基礎・基盤を大切に考え、縦の組織を一層強化しよう、となれば人事の考える教育施策もマネジメントやスキルアップ重視、組織の名前も大きく変わることなく人事異動も部門内になります。
次のトップの方が、これからは会社の舵を変えて新しいことにチャレンジしたい、そのためにも横のつながりを強化して新しい発想を求める、となれば人事施策も発想法やコミュニケーション能力向上に力点が移り、人事異動も部門を超えたものになります。
横の組織でいろいろチャレンジしたけど業績や成果に結びつかなければ、原点に立ち返って縦の組織に。
時代の変化に速く対応してなるべく新市場を抑えこもうと縦から横に。
しかし日本企業の場合、就業規則や人事評価制度が縦の組織で機能するようになっていますので、あくまでも横の活動は一時的なものになりがちです。
横の組織を永続的なものにする場合(ホラクラシー的)、社長が全員の評価をする会社は別として、上司が部下を評価する時に、メンバーがさまざまなプロジェクトで業務をすることになっても、横串の活動をきちんと把握して、その異なる業務成果を公平に評価できるのか、というところが一番の課題になってしまうと思います。
縦と横は、どちらか一方ではなく、両方必要であり、バランスよく使い分けることが理想です。
この縦と横の組織では、総務としての関わり方も異なってきます。
縦は労務管理のほか統制をとるような場合になるので、健康管理、メンタルヘルス、人事管理、安全管理、防災組織、5S活動などは、縦の組織を想定した関わりになります。
一方、横は総務がサービス面を検討する場合に、一時的に総務として組織というかプロジェクト(PJ)を立ち上げて検討するような場合で、食堂委員会、社内イベントのためのPJ、会社をあげて取り組むような活動(社会貢献)などがあります。
モノが売れなくなってきた日本のメーカーでは、新しい事業開拓を考えるとき、今のリソースを有効に活用して成果をあげようと、試験的にでも横串で活動する機会を増やすことが多くあります。
この時総務は、一時的とはいえ横の組織にも会社のルールを適用しようと、安全衛生や防災、5Sなどをプロジェクトチームに実施依頼をしますが、責任と統制のとれない横串のリーダーからは拒絶されることも多く、問題になることがあります。
横断的な組織にしたのは会社としての取り組みなんだから、そこは総務で一括して面倒を見てほしい。
自分が指示された業務は横串の仕事であって、労務管理や安全衛生や防災は、横串のプロジェクトの責任や指示では無い、と言うような理由で断られてしまいます。
そんな時は、横の組織に参加しているメンバーの共通の上司まで組織をさかのぼっていき、その上司を説得し、結果として縦の組織の指示としておろして、実施してもらうしかないのです。
縦の伝統や統制も、横の自由や自律も、会社という組織では、どちらもバランス良く必要なことだと思いますが、総務としてもよく理解したうえでの対応が必要です。