サーモカメラで高熱出勤者を抽出できるか
鳥インフルエンザ、新型インフルエンザが流行しはじめていた頃(2007年?)に、熱があるのに出勤している人が多くいることが判明しました。
熱が上がってつらくなった人が総務にやってくるので帰宅するように促したり、症状が重たそうな場合は病院に連れて行ったりすることが増えたためです。
ほかの事業所の社員が多かったのですが、会社の研修でたまたま3〜4日はこの事業所に来ているとのこと。
研修を通じて感染拡大しているかも知れませんので、研修事務局に連絡をして、消毒液と全員分のマスクも渡しましたが、通常の出勤とは異なり、「研修を受けなければ」という使命感で無理して出社していたようです。
所員には、朝に熱っぽい感じがあれば、熱を計って無理して出社しないようにとの周知をしていましたが、ビジネスホテルなどから研修に出向く人は、熱も計れずにそのまま事業所に入場して研修を受講していました。
そこで、私が技術者だった頃に、製品の排気熱や部品の温度をサーモグラフィックのカメラで観察・実験していたのを思い出し、これを活用して社員通用口で熱のある人をサーモカメラで抽出できないかと考え、技術部門からカメラ装置を借りて試してみることにしました。
結果は、事業所に入場してくる人は冬の冷たい風にさらされて歩いてくるため、顔が冷やされて30度以下になってしまい、発熱の有無を検出することはできないことがわかりました。
当時ニュースでよく見ていたサーモカメラは、空港のターミナルで飛行機から降りてくる人の顔をモニターをしていたもので、機内温度が安定していたために検出可能だったようです。それに対して、屋外から建物に入ってきたばかりの人の肌の熱は不正確になっていたのです。
そういえば、熱を測るのは脇の下が一般的で、赤ちゃんの熱を測るのに正確なのは、耳の中やお尻だと言われますが、外気にさらされない部分の体温検知が正確であることを再認識しました。
最終的には、事業所の入り口に体温を計かる場所を設けて体温計を設置し、発熱が確認できたら総務に連絡するか、会社には入場せずに帰宅をしていただくようにしました。