デジタルサイネージの放映
デジタルサイネージを社内展開するにあたり、コンテンツ作成には、多くの方々を巻き込んで協力してもらいました。
広報部門からは、社外広報と社内広報の両面のコンテンツを提供してもらい、お客様向けのロビーでは会社紹介やTVコマーシャルの最新版が常に放映され、時にはウェルカムボードとしても活用しました。
社内向けの広報は、社長をはじめ役員など、経営層の発言や発信する情報を多くの社員に見てもらうように社内イントラに誘導するコンテンツを流したり、社会貢献部門からも、会社としての取り組みや社員有志の活動紹介などのコンテンツを作って放映してくれました。
社内研修のお知らせや募集にも使われ、TOEICの試験日程や募集も流していました。
食堂のメニュー掲載も紙芝居の形式で、沢山の種類を見せることができましたし、売店や構内協力企業さんもイベントを計画するたびにコンテンツを提供してもらい、安売りの告知やフェアーなど、社員へのお得情報が流れていました。
スポーツや文化クラブなどの部員募集や公式試合の結果報告、次回の試合の応援依頼は、動画を使った見応えのあるコンテンツで、社内活性化イベントとしてのお祭りや職場対抗スポーツイベントなどのお知らせなども伝えることができ、社内の一体化にはずいぶん貢献できたと思います。
部門ごとに開催している方針発表会や表彰式、技術発表や社内展示会などの宣伝にも活用され、新製品発売のニュースリリースやその他の企業情報なども放映して、業務に活用できる内容も多くの目に止まるようにしました。
もちろん総務や人事から社員向け周知の情報もどんどん流します。
年末調整や有給取得奨励、防災訓練のお知らせももちろんですが、社内の啓蒙として防災の日頃の備えや、うがい手洗いの励行のコンテンツを流し、安全衛生や防災の意識付けにも役立てました。消毒液やAED、車椅子の設置箇所などの情報も何人かの目に止まって記憶に残れば、生きた備品になります。
今思えば、食堂やトイレの混雑状況なども情報として流せば見ている人に活用してもらえたでしょうし、会議室の使い方や予約状況、総務に入ってきた困った出来事なども、情報発信しても良かったのかも知れません。
大震災の発生時にはTV機能を利用して、建物ごと主要なフロアごとに地デジ放送を流していましたが、これも遠隔で切り替えることができました。計画停電もあったので、停電時間の事前連絡や、出勤時間が午前休みや午後休みなど変則になること、お弁当を持参して欲しいことなど、必要な情報もコンテンツを作って流していました。
導入当初は、液晶モニターも1インチ1万円などと言われていたたため、システム導入だけでも高額にはなりましたが、途切れることのないコンテンツ放映になるよう運用で工夫をした活用はできていたので、コスト効果は充分にあったと思います。
実際の運用を見学に来られる会社もありましたし、デジタルサイネージのシステムを会社の新規事業として検討するきっかけにもなった事は、大変嬉しい出来事でした。
デジタルサイネージの良いところは、なんといっても遠隔操作が可能なところです。一箇所の工場・事業所だけではなく、拠点をまたいで配信可能というメリットは大きく、先ほども紹介した社長や役員の所信、社内研修の募集や年末調整のお知らせなどは、事業所間で共通な内容であり、本社部門の一箇所から効率よく全国、全世界に配信出来てしまうのは、本当に便利です。
特に、広報や秘書室、人事機能は本社にあるため、社員向けであり、かつ、他拠点へ向けた、即時性のある情報伝達ツールとしては、デジタルサイネージは大変効率的でコスト効果が大きいものだと思います。
液晶モニターの価格も下がり、動画配信のトラフィックも気にならないIT環境になってきた今の時代であれば、社内イントラも活用しやすく(私の導入時期では社内イントラを使う許可をもらうのに頭を下げてサイネージシステムを導入していました)、サイネージアプリも簡易なものであれば大変安価に入手できるようになっています。
運用開始まで、協力部署を巻き込むことと、運用の仕組みやルールを構築するまでは大変ですが、できてしまえばコスト効果は得ることのできるシステムではないかと私は思っています。