見出し画像

テーブルフォートゥー

社会貢献活動の「TABLE FOR TWO」をご存知でしょうか。

アフリカの子供たちの飢餓を救済する目的で、自分たちが食事をするたび、代金の一部を寄付するという活動です。

大学の食堂や役所・民間の食堂などで参加されている、団体への寄付活動で、事業所の社員から参加してみてはどうかと声があがったので調べてみることにしました。

開発途上国が抱える飢餓と先進国が抱える生活習慣病の同時解決という、すばらしい取り組みで、私たちの一食の食事から20円の寄付をすることで、アフリカ諸国の子供たちの、1食分の学校給食になるというものです。

参加団体は、食事を提供する側の給食業者さん、食事を購入する側の大学や企業の、どちらからのアプローチも可能というものです。

きっかけが社内からだったので、会社の一つの事業場として取り組んでみることにしましたが、もう10年も前のことで、当時は、まだまだ参加企業も少ない時でした。

結論からいうと、実施はしたのですが、情けないことに途中で活動を停止してしまいました。個人的には大変な後悔と、無責任な自分の行動を本当に情けなく思っております。恥を忍んでご紹介します。

目的のひとつである肥満防止では、730kcal以下の健康な食事を対象にする必要があり、社食の「ヘルシーメニュー」が該当します。

はじめに悩んだのは、ヘルシーメニューを選択する全員に寄付を求めても良いのかというところでした。

主催団体に相談をしてみたところ、特定のメニューをテーブルフォートゥーメニューとしているところが多く、意思の確認などはお任せしているとのことでした。

意思は尊重すべきだと考え、毎日提供しているヘルシーメニューのうち週に3回だけ、提供メニューの横にフダの代わりとなるお皿に乗った紙コップを用意しました。

オートレジ(自動精算機)で判定するためには、20円の追加精算を判別するお皿が必要で、紙コップにはTableForTwoのロゴをつけてお皿の上に乗せました。

一ヶ月実施後のデータとしては、ヘルシーメニューをとる人のうち、寄付の意思がある方は20%前後で、半数にも満たない結果がわかり、意思確認の必要性は強まりました。

一方で、アンケートなども実施してみたところ、次のような回答が得られました。

・対象メニューと実施日の拡大
・ほかのメニューでも参加できるように
・募金など違った寄付も検討してほしい

ヘルシーメニューはとらないけど、寄付には参加したいという方が多く現れました。

賛同してくれる方が増えるのであれば、とメニュー限定をやめて、誰でもお皿を取って最後の精算で寄付ができるようにしたのです。

ところが、一部の社員の方から目的の異なる活動ならやめた方が良い。節操がない、とお叱りを受けることになってしまいました。

たしかに、目的が開発途上国が抱える飢餓と先進国が抱える生活習慣病の同時解決ですので、カロリーの高い食事をとる方から寄付をいただくのは、道理に合いません。

私一人の浅はかな行動で混乱を招いたことや、そもそも社会貢献活動の何たるかもわからない者が勝手に行動したのが間違いだったのかと悩み、1年ほどで取りやめることにしてしまいました。

給食を待つ子供たちの事を考えると、心も痛く、後悔の残る活動になりました。

医療支援や子供食堂などの食事支援は、途中で投げ出すことができない、強い意思を持って活動しなくてはならないものであることを痛感しました。

また、そのような活動を継続していらっしゃる方々を本当に尊敬します。

なんとも、情けない体験談です。

blog

いいなと思ったら応援しよう!