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適性診断のポイント
運送業界において、ドライバーの安全運転を確保するための適性診断は重要な法的要件です。NASVA等が実施する適性診断には、初任診断、適齢診断、特定診断Ⅰ、特定診断Ⅱがあり、それぞれ対象となる運転者が異なります。
初任診断は、所属する運送事業者において、新たに運転者として採用される方に義務付けられています。事業者は新規運転者が運転を開始する前に、この診断を受けさせる必要があります。
適齢診断は、65歳以上の運転者に対して定期的に実施が求められる診断です。高齢運転者の身体的・心理的特性を確認し、安全運転能力を総合的に評価します。
特定診断Ⅰは、死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の1年間に事故を起こしたことがない運転者や、軽傷事故を起こし、かつ、当該事故前の3年間に事故を起こした事がある運転者に対して行われます。
特定診断Ⅱは、死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の1年間に事故を起こした運転者が対象で、運転者の生活習慣や運転行動の改善を目的とした診断で、より詳細な分析が行われます。
初任診断、適齢診断の時間は、約1時間40分。特定診断Ⅱの時間が一番長く約5時間です。
巡回指導では、適性診断の受診状況を必ずチェックされます。未受診や期限切れがある場合は、改善指導の対象となるため、事業者は適切な管理が求められます。
適性診断当日は、身分証明書の持参や、場合によっては運転記録証明書などの関連書類が求められることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。これらの診断は単なる形式的な検査ではなく、運転者の安全を確保するための重要な取り組みなのです。