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絶望マイホーム -プロローグ


イラストは、上中下さん

プロローグ

昨年の夏、家を建てました。
念願のマイホームです。

私は、家の図面が大好きで、幼少期から図面を眺めて喜ぶ子供でした。
「家を建てる」のは私の夢の一つでした。
だから、
漠然と注文住宅がいいなと思っていました。

家が欲しい、と本格的に思ってしまった2019年

タイミングが悪いことに、世界中の物価の高騰は止まらず、
木材は5年前の2倍、コンクリートは5倍にもなっていました。

自営業の、我が家はただでさえお金が借りづらい。
現金で何千万も準備はできません。

できるお家もあるでしょうが、我が家は無理でした

家はお金がかかる

しかし、夫は45歳。私は41歳。このまま先に伸ばしても返済期間も短くなるばかりでラストチャンスとも言えるタイミング。

だから、
注文住宅は難しい、という現実
見せつけられることになりました。
しかし、調べれば調べるほど注文住宅はコスパが悪いのです。

「今買わないと家は買えないかもしれない。」

そう思った私たちは注文住宅を一旦諦め、
「中古住宅か建売」にシフトすることになりました。

賃貸の家がとても気に入っていたけど

元々、家を買う気はそれほどありませんでした。
実家のそばに賃りていた賃貸住宅がとても気に入っていたからです。
でも、古くて、(築49年)
地震が来るたびに潰れてしまうのではないか?
というほど揺れるし、
冬は家の中の水道が凍るほど寒い家でした。
夏はエアコンが効かないので、
ガンガンにかけてもほとんど冷えません。

光熱費は月8万でした。

やばいだろ

建物としては限界でした。

だけど、寒くても古くても、
私たちはこの家が気に入っていました。

貸家は、
おばあちゃんのお家のような落ち着きで、
純和風の作りでした。

私は、モデルハウスのような
おしゃれなお家も好きなのですが、
リアルなことを考えると、
私はソファーを使っても、
ソファーがあるのにいつも地べたで暮らす、という事態になってしまうことを繰り返していました。

ローテーブルが、どうしても私には馴染まず、ご飯の時に正座してしまうという現象も。

日本人あるある

あと、古民家風の家に憧れていました。
でも、古い家にそのまま住むのはキッチンやお風呂、
トイレなどの水回りも使いづらい。
だから現代のいいところと昔のいいところどっちもいいとこ取りをした、「リフォーム」した古民家に住んでみたいなという夢があったのです。

そうなのです。
私は、賃貸してる家をそのまま買い上げたかったのです。
そして、自分の好きにリフォームして住みたかったのです。

「オーナーさんも既に別の土地に家を建ていて、戻ってこない」
とのことでしたので、入居時からずっと狙っていたのです。

実際入居するときに
「この家、買いたくなったら買うことも可能なんですか?」とも質問していて不動産屋には「大丈夫ですよ」とも聞いていたのです。

だから、
この家を買ってリフォームしたいなと思っていたのです。

前向き

借家の購入を諦める

しかし、いざ大家さんに買いたい要望を伝えてみたら

「相続に失敗して、持ち主が沢山いる。売るのは難しい。」
という悲しい回答をいただきました。

不動産あるある

こうなるともう買い上げるのも厳しくて、
法律を自分で調べてみたり、
諦められなくて、不動産屋をやってる親戚にも相談。
そうしましたら、

「難しいね、すっぱり諦めて次に行った方がいい。
いつになるかわからないし、確率は限りなく薄いよ」

バッサリ

業界の方が厳しいというなら、それは厳しいことなのだと思います。
私たちは住み慣れた賃貸を買い上げることは諦めて、心機一転、自分達の住処を探すことにしたのです。

賃貸には5年住みました。
近所の方も優しくて、自治会も優しくて。
実家からも近くて(徒歩3分)


とってもとっても気に入っていたのですが。。。。
泣く泣く諦めることにしたのです。

続く>>


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チェカンノ@イラストは上中下さん
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